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そのあと、村を出た彼女は世間の厳しさを目にする。そりゃそうだ。16年間村を出たことない少女が、のほほんと生きていけるほど世界は優しくない。それでも、少しばかりの慈悲はあったらしい。
17歳のとき、彼女は殺しの才能を開花させた。生きるために身につけた術を暗殺部隊に買われて今に至る、と。村に伝わる伝承については六道骸から聞いた話と相違ない。
「何か分かったか？」
「そうだねぇ。どうしようもない愚者がいたってことくらいかな」
「……そうか」
「助かったよ、リボーン」
そう言って立ち上がる。というか、エンティティさまもこんな舞台を整えるくらいなら、僕に直接命令してくれればよかったのに。小さな村の一つや二つくらい僕が地図から抹消するし、害虫の駆除だってお手のものだ。もっとお力になりたいんだけどなぁ。
ううん、僕がエンティティさまの意思を汲んで早く動けるようになるべきか。指示待ち人間になっちゃダメだよね。
「相手は仮にも暗殺部隊の人間だぞ。勝機はあんのか？」
「誰に言ってるの。虫ケラ一匹殺せずにエンティティさまの信者は名乗れないよ」
「頼もしいな。ついでにツナのファミリーに入ってくれ」
「お断りだね。沢田綱吉が僕に勝ってから言ってよ」
あからさまな要求に首を振る。遠慮がなくなってきたね。まあ、根負けするようなタイプじゃないから、跳ね除けちゃうけど。
さて、そろそろ戻らないと。お昼休憩は長めにもらったけど、まだまだやることはあるし。もう一度リボーンにお礼を言って、並中へと戻った。
＊＊＊
クロームたちのお世話という頼まれごとを今日もこなして、また並中に戻る。夜になって沢田綱吉たちの元に行こうとすれば、ヒバリさんに止められ、そのまま屋上で見学することになった。
ここからじゃ遠いんだけどな。まあいっか。どこで見ようとも同じことだ。僕の仕事は偽者を殺すだけ。この戦いの勝敗なんて気にするだけ無駄だから。
「皆殺しにすれば早いのに」
「でも、この戦いがあるから、遊べる機会ができたんですよ？」
「君の頭にはそれしかないの？」
呆れたように言われて首を傾げる。そういうわけでもないんだけど。でも、ヒバリさんに言うことでもないしなぁ。
しばらくの沈黙のあと、霧が出てきて空を見上げる。霧が出るような天気でもない。……ああ、六道骸か。見にきてたんだ。
ヒバリさんも僕と同じように空を見上げて、それから興味を失ったように眼下に視線を移す。
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怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとやる気が出ます！まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜！ (2022年10月7日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…！楽しみすぎてつらい…！！なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください！！ (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月1日 3時
