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「それを……おめーらに壊されてたまっかよ!!」
「でも……オレだって……仲間が傷つくのを黙って見てられない……だって……そこがオレの居場所だから」
「相容れないよ。君と彼らの立場も生い立ちも何もかも違うんだから」
理解しようと頑張ることはできても、根本的に違うんだ。互いにしたことも認めることはできないんだ。
不意に気配が感じられてドアのほうを向く。そこから首枷が伸びて六道骸たちに取り付けられた。その鎖の先には包帯で顔を覆っている黒尽くめの人。あれは本当に人なの?だって、なんだか僕と同類に感じられる。生命がない人形のような……。
「早ぇおでましだな」
「い……いったい誰!!?」
「“
ずりずりと3人は引き摺られていく。そのままドアの向こうへ消えていった。じっとその姿を見送る。強烈な甘い香りを残していく彼ら。思い出したかのようにオブセッションマークが疼く。
ああ、彼らか。彼らが持っているのか。リボーンが沢田綱吉に彼らについて話しているのを聞きながら、オブセッションマークを鎮めるように胸元に手を当てた。“復讐者”、きっと負の感情によって満たされた何かを持っているはず。
それが僕の、エンティティさまの目的だ。
ボンゴレの医療班がここに辿り着いてみんなを運んでいく。沢田綱吉も気が抜けたのか、痛いと叫んでいた。
「小言弾のバトルモードは凄まじく体を酷使するからな。体への負担が痛みとなって返ってきたんだ」
「うそぉ!!?いで──!!!助けて!!!」
しばらくして静かになる沢田綱吉。気絶したみたい。軟弱というか、なんというか。リボーンに名前を呼ばれて、しゃがみ込む。
「わりーな、最後まで我慢させちまって」
「うん、まあいいよ。今回は得るものがあったから」
「そーか。ま、オレも得るものはあったぞ」
ぺんぺんと軽く膝を叩かれて、その場に正座する。それを枕にするように頭を乗せたリボーンは鼻ちょうちんを膨らませた。
え、まさか寝るの?ええ〜、だったら正座なんかしなかったのに。
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作者名:怜 | 作成日時:2022年9月25日 23時