*** ページ19
どうするのかと眺めていれば、何やら閃いた顔をして六道骸の方へ向かっていく。直接元凶を叩くつもりらしいけど、死ぬ気弾すら撃たれてないいつもの沢田綱吉じゃあ無理だと思うけどな。
案の定振るった鞭が自分に当たってさらに足を拘束してしまっていた。
「クハハハハ。君にはいつも驚かされる。ほらほら、後ろ……危ないですよ」
あ、本当だ。フゥ太にまで鞭が絡んでる。咄嗟に武器を遠くに放った沢田綱吉。沢田綱吉が何やら考え事をしている間にフゥ太が武器を手に取って振るう。
「おまえは悪くないぞ」
ぴたりとフゥ太の動きが止まった。
「全然おまえは悪くないんだ。みんなフゥ太の味方だぞ。安心して帰ってこいよ」
頭を押さえるフゥ太。その目に光が戻って倒れ込んだ。駆け寄ってフゥ太を覗き込めば、鼻血を流している。抱き上げて危険が及ばない場所まで避難させた。
子どもだからね。優しくしないと。
「君がよけいなことをするから、彼クラッシュしちゃったみたいですね」
「そんな!」
「彼はこの10日間ほとんど眠っていないようでしたしね。おもえば最初から手のかかる子でした」
朗々と語る六道骸。日本に来たものの、ボンゴレ10代目の特定には至らず、フゥ太を利用しようとした。でも“
そんなことになるくらいなら喋ってしまえばよかったのに。
「それで仕方なく以前につくられた並盛のケンカランキングを使い、ツナとファミリーをあぶりだそうとしたんだな」
「もくろみは大成功でしたよ。現に今、ボンゴレはここにいる」
「…………罪のないフゥ太をこんなにして……六道骸!人を何だと思ってるんだよ!!」
「おもちゃ……ですかね」
ふざけるなと沢田綱吉が駆け出す。棒を手にした六道骸はすれ違いざま、沢田綱吉に幾度も攻撃をした。遅れて至る所から出血する。あれを避けるのは沢田綱吉には難しいだろうな。
「どうか──しましたか?」
「うわあっ……なにがどーなってんの?」
「すれちがいざまにすさまじい攻撃をあびせたんだぞ」
「さすがアルコバレーノ。その通りです」
19人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:怜 | 作成日時:2022年9月25日 23時