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「アネキ!!なんてことを!」

「私はもともとツナを殺すために日本に来たのよ。こんなもんですんでラッキーと思いなさい」

「たったしかに……ん?」


そっぽを向いたビアンキさん。素直じゃない人だねぇ。もう仲間として認めてるはずなのに。


「いやぁ、お見事クリアです。これなら次の要求もクリアして彼女達は助かりそうですね」

「え!まだあんのー!?」

「誰もこれで終わりなんて言ってませんからね──しかし、今のクリアっぷりがよかったので、次で最後にしましょう」


そう言って取り出したのはナイフ。あれで刺すことが次の要求らしい。地面に投げられたナイフを拾い上げる。鼻血を止めるためにバーズはティッシュを詰め込んで、やるかやらないか決めるように笑った。

まあ、できないだろうねぇ。それにこのナイフ、毒が塗ってある。悪趣味なあいつのことだ。死に至るような猛毒が塗り込まれてるに違いない。


「それでは次のドキドキいきましょう。じっくりこの子からいきましょーか?いや──かわいいですな。天使のようだ」

「京子ちゃん!!」


殺し屋が後ろ手に持っているものにズームアップして、瓶に貼ってあるラベルが読めるようになる。硫酸……。硫酸をかけるつもりか。


「いや──楽しみだ。彼女痛くて驚くでしょーね!!ただれてまたびっくり!!」

「こいつ!」

「マジキレてやがる!!」

「やっちゃって」


ゆっくりと瓶が傾けられていく。それがこぼれ落ちそうになったとき、沢田綱吉が静止をかけてナイフを刺すと叫んだ。瓶が止まって、山本武たちはどよめく。


「絶対絶対だめだ!!!カンケーない京子ちゃんをひどい目にあわせるなんて!!」

「それではやってもらいましょうか?制限時間は10秒ですよ」

「……沢田綱吉、やめといたほうがいいよ。これ、毒塗りだから」


ナイフを弄びながら沢田綱吉を見る。青かった顔はさらに青白くなって動きが止まった。僕なら毒なんて効かないだろう。エンティティさまが治してくれるから。
でも、沢田綱吉は違う。何の加護もない一般人。そんな人間がこれを刺したら、なんて想像しなくても結末が分かる。

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作者名: | 作成日時:2022年9月25日 23時

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