魔力よりタバコをくれ十六本目【ツイステ】 (ページ7)

今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:40,536 hit

＊＊＊ページ7

「ほんとに内容を一言一句最後までしっかり読んで、1項目ごとに質問してくることある？A氏を見習ってほしいんだが」

「サインするなら、すべての条件に合意できてからなのは当然でしょう」

「ええ。万が一にも僕が損をするような契約だったらたまりませんから」

「ヴィル先輩とアズールの言うとおりだ。もし法に触れる内容などが盛り込まれていたらどうするんだい」

「君らほんとブレないな……。さすがSSR［前代未聞の問題児］集団……」

まあ、分からなくもないけどさ。

すっかり空になったティーカップを下げてもらって、次は何、とイデアさんに問う。肩を竦めたイデアさんは検査を始めると言った。

「バトルシミュレーター、観測用制御卓の準備はすでに完了しているよ」

「k(オッケー)。まずは被検体のみんなには3チームに分かれてもらう。最初のテストは被検体A、被検体C、被検体Eで行う。次に被検体B、被検体D」

「特別被検体には別のプログラムを用意してるから、最後」

ふうん？俺、最後なんだ。なんかそういうこと多い気がするな。まあいいけど。

オルト・シュラウドについてくるように言われた3人は渋々立ち上がる。不意に立ち止まったアズールが俺の前に膝をついた。

「いいですか。僕が戻るまで絶対に大人しくしておいてください」

「何もしないって」

「絶対ですよ」

分かってるよ、と言って不安そうなアズールの頬に手を添える。さすがに敵陣とも言える場所で無茶はしないって。それに、何かしようにも魔法が使えないんじゃ何もできないだろ。

最後まで不安そうなアズールにいってらっしゃいと背中を押す。離れ難そうにしていたアズールはイデアさんを睨むと、オルト・シュラウドについていった。

「僕も席を外すけど、なにかあったらドアの横の内線でスタッフにコールして」

「おい、所長代理さんよ。小腹がすいたら注文できる軽食のメニューくらい置いてねぇのか？」

「で、出たァ〜レオナ・キングスカラ〜〜。残念だけど、そこになければないですね……」

検査中に好きなもの食べれるわけない、とかぶつぶつ言っていたイデアさんは、思い出したように俺を見た。

「タバコは好きなだけ吸っていいんで」

「マジ？」

「マジ。A氏に関してはタバコ吸わない方がストレスになるでしょ。そうなったら検査うまくいかないし」