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「……で、このゲームのどこが俺向けなんだ？」
「それはね……『ヒド逆』のプレイ画面に猫が夢中になってじゃれつく動画が大バズり。愛猫家たちが『＃猫VSヒドラ』ってタグで次々モニターにじゃれつく猫の動画を投稿した」
「その後、動画を見たとある研究者が、ライオンも『ヒドラの逆襲』に夢中になるのか？っていう実験をして……ライオンも猫同様にスクリーンに映し出されたヒドラに興味を示し、長時間じゃれつき続けることが判明したんだよ！」
それってつまり……。レオナ・キングスカラーがライオンの獣人だからオススメしたってことか？
そう理解した瞬間笑いそうになって、慌てて顔を背ける。笑いを堪えようと口元がニヤけた。
「ブッ！！オ、オルトそれは……」
「フッ、フフ……ッ！やるじゃないオルト。完璧なチョイスだわ」
「…………はァ？」
「ゲームを開始してからの集中力といい、この高スコアといい、やっぱり僕の予測は外れてなかったみたい！楽しんでくれて嬉しいよ！」
オルトの言葉が追い討ちになってつい吹き出す。誤魔化すように咳払いをして、シガレットケースを取った。続いてイデアさんとヴィル・シェーンハイトがレオナ・キングスカラーを煽る。オルト・シュラウドにさらに勧められたレオナ・キングスカラーは深くため息をついた。
「悪いなァ、おチビさん。そちらのみなさんが仰る通り、俺は猫科のサガに逆らえないタイプでな。昼間は眠たくてしかたねぇんだ。もっと遊びたいところだが、眠くて眠くて続けられそうにない。悪いが他をあたってくれ」
「そっか。残念……」
「さすがレオナ氏……やりたくないことからの逃げ方がプロのお手前」
「というわけで、後はテメェらで勝手にやれ。おらよ、コントローラーだ」
投げられたコントローラーをジャミルがキャッチする。次はヴィル・シェーンハイトがするらしい。
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作者名：怜
| 作成日時：2022年1月31日 0時
