魔力よりタバコをくれ十六本目【ツイステ】 (ページ14)

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無事にクリーム塗れになったアズールが肩を落として、俺の方へ歩いてくる。髪にまでクリームがべったりだ。シャワー浴びないと取れないだろうな。
そう思いながら、アズールの頬についたクリームを拭う。軽く落とせる部分は落として、シャワーを浴びようかと促すと、ぶつぶつと文句を言っていた。

「クリーム落とさないと抱きしめられないよ」

「抱きしめてクリームをつければ、Aもシャワーを浴びなければなりませんね」

「だめ」

むっとするアズール。まだメガネをつけられるほど綺麗になっていないアズールの手を引いて、シャワールームへと案内しようとすると、自室へお願いと声を掛けられた。
アズールの部屋ってここからちょっと遠いと思うんだけどな。まあ、今日の主役がそれを望んでいるなら、俺は従うまでだ。

「そういえば、Aからまだプレゼントをもらっていないのですが」

「うん。まだ渡してないな」

「ということはちゃんと用意してくれているんですね」

「当たり前だろ。アズールの誕生日なんだから」

今回はフロイドとジェイドの意見を参考にしたから、ちょっと不安ではあるんだけど。たぶん、大丈夫なはず。
本当にあれでアズール喜んでくれるのかな？2人は絶対喜ぶって言ってたんだけど、形に残るものでもないし……。

少し悩みつつも、2人の意見を参考にしたんだって言うと、アズールは目を瞬かせて頷いた。

「フロイドとジェイドが必ず感謝することになると言っていたのはそういうことでしたか」

「え、2人ともそんなに自信あるの？」

「何にせよ、僕が喜ぶのは絶対だと言っていました」

そっか。そんなに嬉しいのかな。じゃあ、ちゃんと準備しなきゃいけないな。

そう思っているとアズールの部屋にたどり着いて、ちょうど良く2人から連絡が入る。もう戻ってこなくても良いよってメッセージ。ってことは、アズールのプレゼント用意しないと。

「アズール、今から誕生日プレゼント取ってくるから」

「分かりました。ではシャワーを済ませてきます」

「うん。ちょっと待ってて」

シャワールームに入っていったアズールを見届けて、俺も自室へ急ぐ。この日のために借りたアズールの予備のコートを持った後、自分の首にリボンをつけて、またアズールの自室へ戻った。