嘆きの島と実験 ページ1
6章中編となります。前回はこちらから。
***
嫌に乗り心地の悪い運送車に乗せられて、しばらく揺れた後。一際大きな揺れとアナウンスが響く。突然光が差し込んで、目を細めた。
「あー、皆さん。暗くて陰気臭い、嘆きの島……『S.T.Y.X.』本部へようこそ」
「…………!!」
「アンタは……!」
燃え盛る青い髪、特徴的な青いリップ、奥で光る暗い金色の目。間違いなく、イデアさんだった。
「ど、ども…… 『S.T.Y.X.』所長代理、イデア・シュラウドです。フヒッ……」
所長代理!?何かしらの関わりはあるだろうと思ってたけど、まさか代理で所長になれるくらいの地位だとは思わなかったな。
信じられないな、と見ていると、イデアさんと目が合う。途端驚いたように目を見開くから、首を傾げた。
「な、なんでA氏が?何も聞いてないんですけど」
「は?特別被検体だか何だか言って連れ去ったのそっちだろ」
「マジっすか……ま、1人や2人増えても関係ないですし、ちゃっちゃと済ませてイベント走るか」
人のことを何だと思ってるんだ。フロイドとジェイドを置いてきてるんだから、後のことを考えるとため息つきたいのはこっちだっていうのに。
ついてくるようにとイデアさんは言って歩いていく。足元から寒気が這い上がるような質素な廊下を延々と歩かされた後、それぞれ部屋に入るように言われて、自動で開く扉をくぐる。簡素な部屋の奥にはシャワー室と着替え。
天井から降りてきた機械を目にして顔が引き攣った。どう見ても無理やり洗うための機械にしか見えない。
自分でゆっくり入らせるとか、そういう考えはなかったのか?こんなの、人権無視もいいとこだぞ。
そうは言っても、ただ時間が過ぎるだけで。覚悟を決めてシャワー室に入った。
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作者名:怜 | 作成日時:2022年1月31日 0時