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結局シャワーは交代で浴びることになって、フロイドが入っているときはジェイドと、ジェイドが入っている間はフロイドと、息をつく間もなくキスされて唇がふやけそうなほど。
唯一休めるのはシャワーを浴びている間だけだったし、扉の向こう側から早くと急かされたらゆっくりはできなかった。
バスルームから出れば、お世話したがりの2人が待っていて思わず笑う。ドライヤーを持ったフロイドがソファーを叩くから素直にそこに座って、ジェイドが差し出す水を受け取った。
「これじゃあ俺が主役みたいじゃん」
「オレらがやりたいことやってっからいーの」
「僕たちの特権ですからね」
確かに他の奴らにはさせないけど。それは当然だろ?恋人以外のやつに触らせたら怒るくせに。
ドライヤーを済ませたフロイドがうなじにキスをして、手櫛で髪を整えてくれた。そろそろ会場に戻ろうか、と言おうとすれば、2人から手を差し出される。そのタイミングがあまりにも揃っていたから、少し笑ってしまった。
「うん、会場に戻ろうか」
「戻ったら寮生全員にバースデーソング歌わせてやろ」
「それはそれは……楽しみですね」
差し出された手を握って、フロイドがあれしたいこれしたいと話しているのを聞く。相槌を打ちつつジェイドにも構って、結局だらだらと廊下を歩く羽目になった。
「んでさ、Aからのプレゼントっていつ貰えるの?」
「僕たち、とても楽しみにしているのですが」
「あーっと、それなんだけど……」
アズールからもらったアドバイスをやんわりと伝えると、2人とも目を輝かせる。どうしようかな、と悩んでいる2人が可愛くてくすくす笑うと、ジェイドにキスされた。
「何でもいいんですか?」
「俺ができることだったらね」
「ね、オレ今日がいいんだけど」
「僕も今日がいいです。譲ってください」
頭上で軽く言い合いになっているから、ジャンケンで決めればいいのにって言えば、俺を間に挟んでジャンケンを始める。決着がついたにも関わらず、もう一回もう一回って終わりが見えないから、また今度になりそうだな。
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作者名:怜 | 作成日時:2022年1月31日 0時