【ツイステ】エンティティさまの御心のままに-9-【DBD】 (ページ10)

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先輩たちを見送ってしばらく経った後、食堂を移しているカメラの映像はようやく制服姿の7人を捉えた。ウェディング姿のゴーストの前に並び立つ先輩たち。

ワイルドだけどお耳がキュートなあなた、と呼ばれて一歩前に進んだのはレオナさん。お耳がキュート……。まあ、確かに可愛いとは思うけど……。

そのまま眺めていると、急に花嫁ゴーストが歌い出す。なんで？
呆然としたまま画面を見る。レオナさんも理解できてないみたいで、花嫁ゴーストを見つめていた。

花嫁ゴーストが歌い終わった後、沈黙が続く。レオナさんがおかしくなったのか、と呟いた後、花嫁ゴーストは目を釣り上げて却下と言い放った。そして……。

バッチーーーーン！！

振りかぶられた手が迷いなくレオナさんの頬を打つ。うわあ、と口元に手を当てた。信じられない、と花嫁ゴーストがぶつぶつと呟く。

『姫が歌ってるのにデュエットしてくれないなんて！！！！』

え……ええ〜…………。そんなことで……？

どんな童話を夢見てるの？あれって作られた話だからこそ、デュエットしたりとか王子様がタイミング良く助けてくれたりとかするもので、現実でそれを求めるなんて……。

これは難航するだろうな、と胃を押さえる。僕、絶対あの場に行きたくないんだけど。

次、と大きな声で花嫁ゴーストが言う。ヴィル先輩なら、大丈夫かな。なんていったって、あの人俳優だし。王子様っていうものを良く分かってるんじゃないかな。

そしてまた歌い出す花嫁。完璧にデュエットしてみせたヴィル先輩に思わず拍手をして、小さくガッツポーズ。これなら、と淡い期待を抱いた瞬間、花嫁ゴーストが犬の名前を聞いた。犬？なんで？
飼っていない、と首を振りかけたヴィル先輩に、花嫁ゴーストの平手打ちが襲う。

なんでもありだな、これ。遠くを見つめる僕を、グリムが揺さぶった。またモニターに焦点を合わせると、花嫁ゴーストはとんでもないことを言い放つ。

『口笛ひとつでピンチに駆けつける、大きな犬を飼っていないなら、王子様じゃないわ』

それだったらイデアさんも飼ってないよ！！そもそもイデアさんは猫派だって！！