【ツイステ】エンティティさまの御心のままに-9-【DBD】 (ページ44)

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「メインボーカルは3名。それ以外のメンバーにはコーラスとダンスを中心にパフォーマンスしてもらう予定よ」

「えぇ？みんなで歌うんじゃないのか？」

「斉唱は高い技術がないとがなっているように聞こえてノイジー……。今から7人全員の歌唱レベルを合わせるのは難しい。だったら、それぞれ集中するポイントを作って取り組むべきよ」

確かにそうだね。残り1ヶ月で全部っていうのは難しい。どこかで崩れる可能性があるんだから、リスクを許容するより消す方に力を入れたいよね。

「振り付けも、曲に合わせたオリジナルのものを用意してる。ざっくりした仕上がりがイメージしやすいように雰囲気が似たダンス動画を見せるわね」

そう言って、ヴィルさんはスマホを操作する。マジカメに動画がたくさん上がってるはずだって。何度かスクロールして見つけたのか、ヴィルさんは画面を見やすいようにしてくれる。
動画を見る前にCMを見ないといけないんだよね。それ、ちょっと面倒で嫌い。

流れ始めたCMをぼんやりしながら眺めていると、聞いたことのある声が聞こえた。

「そういや、このCMに出てるネージュも『VDC』に出るんだよね。マジカメで今一番ホットな芸能人ってケイト先輩が言ってた」

「ふぅん。『VDC』でもかなり票を集めそうだな」

「彼はロイヤルソードアカデミーの代表だよ」

「じゃあオレたちナイトレイブンカレッジのライバルってことだな！」

そういえば、ナイトレイブンカレッジはロイヤルソードアカデミーに負け続けてるんだっけ？学園長も気合いが入ってたし、今回こそ勝ちたいとか？

「アンタたち、くだらないおしゃべりをしてないで、ダンス動画に集中しなさい！」

眉間に皺を寄せたヴィルさんが低く呟く。今度こそ絶対に負けるわけにはいかないって。私情が入り混じってる声で。
それが向けられているのが僕だったらすごく面白そうなのに、なんてちょっとだけ思った。