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それからジャミル先輩の教え通りに練習したデュースくんたち。最初よりはマシになったんじゃないかな。
チャイムが鳴って切り上げようと言ったジャミル先輩。
「バイパー先輩、アジーム先輩、特訓あざっした！」
「さすがジャミル先輩。教え慣れてるっつーか、なんつーか……。たった何十分かで、デュースたちも少しは踊れるようになってきたじゃん」
「リズム感はともかく、運動神経は悪くない。練習を重ねれば問題無く踊れるようになるんじゃないか？」
「押忍！アザッス！！」
「グリムは上達したかどうかの判断に困るが……キレはある。と、思う。たぶん」
うん、まあ、そうだよね。人型じゃないんだから、判断は難しいと思う。でも、グリムも楽しんでるみたいだし、いいんじゃないかな？
ジャミル先輩は歌もダンスもバランス良く練習するようにと締めくくった。
「なあ、お前たち。明日からも一緒に練習しないか？ジャミルは歌も上手いからさ。見てもらえよ」
「なっ！お前はまた勝手に……！」
「いいじゃねーか。歌と踊りとうたげは人数が多いほうが楽しいだろ？」
「よろしくお願いしまーす！」
あらら、ジャミル先輩の意思関係なく決まっちゃった。こういうことでストレスが溜まっていくんだと思うんだけど。平気かな、先輩。
顔を顰めていたジャミル先輩は腕を組んで仕方なさそうに頷く。
「ただし、優しい教え方は期待するなよ」
「余裕でしょ。スパルタにはウチの寮長で慣れてるし」
「ビシバシオネシャス！」
「それじゃあ、引き上げる前に使ったフロアの整備だ。倉庫からモップを取ってこい」
「はーい」
モップを取りに行ったエースくんたちを見送っていると、アズール先輩の声が聞こえる。ジャミル先輩に用があるらしい。連絡事項を伝えたアズール先輩はユウくんとグリムの会話が聞こえたのか、2人の後ろに立って心外だとでも言うように手を広げた。自称慈悲深いアズール先輩はあの日のネタバラシをした。
「本当にあの日は、ジェイドとスマホで通話していただけです。僕はレオナさんと違って、必要以上に相手をいたぶって楽しむ趣味はありませんから」
「せっかく手に入れた秘密です。自ら価値を暴落させるようなマネはしませんよ」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年1月5日 23時
