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「オンボロ寮の鏡の中にグレート・セブンが映る夢ぇ？まぁ、毎日グレート・セブン像を見てるわけだし、夢に出てきてもおかしくない気はするけど」
「でも、夢の中の彼らは伝説と少し違う」
「僕も魔法史の小テストの前には、寝ながら偉人の名前を唱えていたが……話を聞くに、そう言うことじゃなさそうだな」
「さらに、丸い耳をした『ミッキー』が鏡の中に……」
ミッキー？丸い耳の、ミッキー？え……え！？
僕は基本的にゲームのことしか興味はないけど、ミッキーは知ってるつもりだよ。ディズニーランドだって行ったことはないけど、有名なんだ。知ってるに決まってる。
とはいえ、名前が一緒なだけで、僕が想像しているのと違う場合もある。それに、僕が元いた世界のことをどこまで話していいものか分からない。
結局エースくんたちと同じで、知らないと言った。
「あっ、もしかして……こないだ夜中にオレ様の尻尾を踏んづけた時の話か？」
そう言ったグリムは僕に擦り寄って告げ口をするように、いかに痛かったかを語り始める。災難だったね、と撫でれば満足したようで、机の上でお腹をみせるように伸びた。
グリム、ちょっと前まで野良だったんだよね？野生を捨てたの？
「うーん。夢じゃないなら、ゴーストの仕業……とか？」
「アイツらイタズラ好きだからな。あり得るんだゾ」
「あっ、じゃあさ。今度鏡に『ミッキー』が現れたら、学園長からもらった『ゴーストカメラ』で写真撮ってみれば？」
ああ、そういえば、なんかカメラみたいなのあったね。ゴーストカメラって言うんだ。相手がゴーストでもバッチリ写るはずだって言ったエースくんは僕を見る。
「Aも呼んでさ。証人が2人いれば、学園長も協力してくれるんじゃね？」
「そうかもね」
「写真があれば『ミッキー』が何者か突き止められそうだな」
「犯人がわかったら、ユウに踏まれた尻尾の慰謝料としてツナ缶請求してやるんだゾ！」
「ま、なにも写ってなかったらユウが寝ぼけてただけってことになるけど〜」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年1月5日 23時
