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そうして本格的に練習を始めるA組だが。
「えー！お仕事！？」
「うん。帰ってくるの夕方になるけん、動画とか送ってくれれば見とくし、軽く練習できると思うけん」
「今日は土曜日で休日なのに！？」
「ヒーローじゃけんね」
玄関先でぶうぶうと文句を言う芦戸に困ったように笑いかけ、Aは靴を履く。行ってきます、と小さく笑った彼女は瞬きの間に姿を消してしまった。
がっくりと肩を落とした芦戸は渋々練習へ戻る。気を取り直して、Aへ送る動画を撮るため自身も踊り始めた。
「京極さんは？」
「お仕事だって。土曜日なのにね」
「そっか」
寂しそうに呟く芦戸に何も言えなくなり、緑谷は無難な相槌を返す。
学生でありながらヒーローであるということは、そういうことだ。休日はごく稀であること、学生を充分に楽しめないこと、挙げていけばキリがないのだろう。
「だからね、動画送るんだ。Aも仕事の合間に練習してくれるって」
「じゃあ、京極さんのためにも頑張らないと」
「そういう緑谷はAに追い越されちゃダメだよ」
苦笑いを浮かべた緑谷を揶揄うように、芦戸はにひりと笑う。頑張りますとカタコトで返した緑谷は、練習している生徒に混じった。
＊＊＊
一方Aといえば、宙に浮かびながら次々と舞い込む任務に精を出している。東京で強盗が起こったと思えば、四国でひったくり。現地にヒーローがいてもいなくても、Aに連絡が届く。コロコロと瞳の色を変えて現地へ急行し、事件を解決していく様は手練れのそれだ。
それが幾度も繰り返された後、Aの携帯に芦戸から動画が送られてきた。横目で確認しながらも事件を収め、移動の合間に振り付けを覚える。数回見た後は同じように踊ってみせた。しかし、本人としては気に入らないらしく、何度も空中でダンスをする。
その様子がテレビで映され、話題を呼んだのはまた別の話である。
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怜(プロフ) - そこら辺の石さん» ありがとうございます！そう言っていただけると京極ちゃんも喜ぶと思います。またどこかの作品でお会いしましょう！ (2022年12月17日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の石 - あの、好きです。泣きましたいや、ちょ、本当好きです。喉を圧縮されたような悲しみです。おま、主人公お前、まだまだやり残したことあるだろうわ、すみません泣きましたありがとうございました完結おめでとうございます…！ (2022年12月15日 16時) (レス) @page39 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。さん» ありがとうございます！ワンピースは書きたいんですが、ひとまず他の長編が落ち着いたらかな〜と思っています。気長にお待ちいただけるとお待ちいただけるとありがたいです！ (2022年9月1日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - ワンピース、、、ぜひ見たいです。凄く読みたいです…!!完結おめでとうございます！！ (2022年8月29日 1時) (レス) @page39 id: 009cff3277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年9月26日 5時
