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とは言えども、時間は待ってくれない。ホログラムのようにAの体にノイズが走った。崩れ去っていく手足。体の中心へ亀裂を走らせていく。
目を見開く緑谷へ笑いかけた。案ずることはない。この身を巣食って蝕んだ大罪と消えるだけだ。
ああ、ようやく叶ったじゃないか、ナニカとやら。ようやく、大罪人が消えてくれるんだ。お前にとってこれほど喜ばしいことはないだろう。
「京極さん！待って！待ってよッ！」
「どうしたん、緑谷。早く言ってくれんと消えるよ？」
「ッ！！」
なんてことないように消えると口にするAに、緑谷は言葉が声にならなかった。消えるという言葉を体現するように、Aの足は既に崩れ去っている。手も肘から先は消えていた。
「僕たちは京極さんのこと、だ、大好きだったんだ！君がいてくれたから、どんな敵だって怖くなかった！君がいてくれたから、……なのに、なんで…………」
「そう言ってくれると頑張った甲斐がある。ありがとう、緑谷」
「……消えないでよ…………僕たちを置いていかないでよ……」
ぼろぼろと涙を溢す緑谷。その涙すら拭えないのだ。消えてしまった手では慰めることすらできない。
もし次があるのなら、友人の涙すら拭えないような最期は迎えたくないな、と茶化すようにAは笑う。乱暴に涙を拭った緑谷は震える声を絞り出した。
「もう、大丈夫。大丈夫だから、……っ僕が守るから、」
「うん、よろしくね」
「みんなが、安心できるようにッ……僕が、」
「緑谷だけで気負うことはないんじゃないん？爆豪もおるし、お茶子もおるし」
緑谷は耐えきれず大粒の涙を流す。頼もしい友人は最期まで泣かない。ああ、結局僕たちは彼女に頼りっぱなしだったな。そう呟いた緑谷にAは首を振る。そんなことはなかったと安心させるように微笑んだ彼女は最期にこう言って、風に攫われたまま二度と姿を現すことはなかった。
「幸せでした。どうかお元気で」
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怜(プロフ) - そこら辺の石さん» ありがとうございます！そう言っていただけると京極ちゃんも喜ぶと思います。またどこかの作品でお会いしましょう！ (2022年12月17日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の石 - あの、好きです。泣きましたいや、ちょ、本当好きです。喉を圧縮されたような悲しみです。おま、主人公お前、まだまだやり残したことあるだろうわ、すみません泣きましたありがとうございました完結おめでとうございます…！ (2022年12月15日 16時) (レス) @page39 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。さん» ありがとうございます！ワンピースは書きたいんですが、ひとまず他の長編が落ち着いたらかな〜と思っています。気長にお待ちいただけるとお待ちいただけるとありがたいです！ (2022年9月1日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - ワンピース、、、ぜひ見たいです。凄く読みたいです…!!完結おめでとうございます！！ (2022年8月29日 1時) (レス) @page39 id: 009cff3277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年9月26日 5時
