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──残り0日。
完全に能力が使えなくなった日の朝。腕も足もどこか痺れていて、触覚が鈍い。とうとう最期がきたかと自嘲気味に笑い、重たい体を起こす。軽く着替えて身支度をすると、質素になった部屋を後にした。
電話をかけ、掃除屋に部屋の掃除を任せると、大家に鍵を返す。「お世話になりました」と「掃除屋に全て廃棄するように伝えたので後はよろしくお願いします」と伝えて、気怠い体を引き摺るように駅のホームを目指した。
さて、死に場所を探そうかとスマホを開きながら、海の見える丘を探す。どうせなら綺麗な場所でと検索をかければ、そう遠くない場所にあるらしい。
滅多に利用しない電車に乗り、車窓から外を見る。大きなビルが立ち並ぶ街は、今まで守ってきた場所。終わりが近くなって命が惜しくなるものだ。まだまだ一緒にいたかったなんて伝えることはないけれど。
ぴこんぴこんとうるさくなったスマホの通知を切って、目的地に着いたというアナウンスに顔を上げた。太陽は真上で輝いていて、マップを頼りに光り輝く海が見渡せる場所を目指す。
歩いて5分ほどの距離だというのに、今のAでは10分以上かかってしまった。この程度の距離で息が上がってしまう自分に辟易し、それも仕方ないかとスマホを投げ捨てる。もう必要のないものだ。
本当に身軽になってしまったな、と呟いて小さく笑う。
「京極さんッ！」
「……よくここが分かったね、緑谷」
振り向けば、息を荒くした現No.1ヒーローがいた。忙しい合間を縫って探していたんだろうと察して、やっぱり惜しいなと感じる。こうまでして探してくれる友人を残してしまうことが、最後の最後で足枷になった。
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怜(プロフ) - そこら辺の石さん» ありがとうございます！そう言っていただけると京極ちゃんも喜ぶと思います。またどこかの作品でお会いしましょう！ (2022年12月17日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の石 - あの、好きです。泣きましたいや、ちょ、本当好きです。喉を圧縮されたような悲しみです。おま、主人公お前、まだまだやり残したことあるだろうわ、すみません泣きましたありがとうございました完結おめでとうございます…！ (2022年12月15日 16時) (レス) @page39 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。さん» ありがとうございます！ワンピースは書きたいんですが、ひとまず他の長編が落ち着いたらかな〜と思っています。気長にお待ちいただけるとお待ちいただけるとありがたいです！ (2022年9月1日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - ワンピース、、、ぜひ見たいです。凄く読みたいです…!!完結おめでとうございます！！ (2022年8月29日 1時) (レス) @page39 id: 009cff3277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年9月26日 5時
