幸せでした。どうかお元気で。 ページ32
彼女がその違和感に気付いた時には既に手遅れだった。
7つの大罪のうち、3つほど使えなくなっていると気付き、Aは掌を眺める。それも使用頻度が低い能力が悉く使えない。それくらいならまあいいだろうと放っておいたのが運の尽き。
1ヶ月ごとに1つずつ使えなくなっていった。3ヶ月も経てば使える能力は怠惰のみ。
Aは寿命だと悟った。ついに器が能力に耐えきれなくなったのだ。となれば、残された時間は1ヶ月。最後の怠惰と共に、Aはこの世から消える。
その前にやるべきことがある。恩人に感謝を伝えること、タイムリミットを伝えること、残された時間を思う存分楽しむこと。
Aは時間が短いというのに、動揺はしなかった。既に一度死んだ身だ。経験したことを恐れるほど、Aはか弱くなかった。
後悔しないように生きてきた。心残りがないようにやりたいことはやってきた。1つ思い残すことがあるとすれば、恩人が悲しんでしまうのではないかということ。
それは嫌だなぁと膝を抱えるも、うじうじと悩んでいる時間が勿体ない。暫く考えた後、Aはあの人なら問題ないだろうと、元No.1ヒーローへ連絡をした。
──数日後。
相談したいことがあるとAに呼び出されたオールマイトは、なんてことないように伝えられた寿命に動揺を隠せなかった。のんびりとココアを飲むAを凝視して、額を押さえる。
「そんなに大事なことをどうして隠してたんだ！私じゃなくても、相談できる人は他にもいただろう！」
「……こんなに時間が短いとは思っとらんかったけんね」
「君が最初の違和感に気づいてから3ヶ月だ！消えていく能力から残された時間が短いことは明白だったはずだ！」
ガチャンとコップが音を立てる。テーブルに叩きつけられた拳が震えていた。だというのに、Aはオールマイトを見つめるだけ。金色の髪に所々白髪が混じっていて、時の経過を感じさせた。
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怜(プロフ) - そこら辺の石さん» ありがとうございます！そう言っていただけると京極ちゃんも喜ぶと思います。またどこかの作品でお会いしましょう！ (2022年12月17日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の石 - あの、好きです。泣きましたいや、ちょ、本当好きです。喉を圧縮されたような悲しみです。おま、主人公お前、まだまだやり残したことあるだろうわ、すみません泣きましたありがとうございました完結おめでとうございます…！ (2022年12月15日 16時) (レス) @page39 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。さん» ありがとうございます！ワンピースは書きたいんですが、ひとまず他の長編が落ち着いたらかな〜と思っています。気長にお待ちいただけるとお待ちいただけるとありがたいです！ (2022年9月1日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - ワンピース、、、ぜひ見たいです。凄く読みたいです…!!完結おめでとうございます！！ (2022年8月29日 1時) (レス) @page39 id: 009cff3277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年9月26日 5時
