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「お前……」
爆豪がAに声をかけようとして絶句する。黒く染まった手先に脈打つ血管のようなもの。ただのキャパオーバーだと思っていた爆豪には信じ難い光景だった。
「テメェ、今何ができんだ」
「ばかに、せんでよ……何でもできる」
「嘘つけ。腕上げんので精一杯だろォが」
「腕上げんでもできるんよ……知らんかった？」
脂汗を滲ませながら、Aが口角を上げる。幾分か冷静になったのか、上を見て眉間に皺を寄せた。
緑谷が代わってくれているが、ジリ貧だった。消耗戦に持ち込んだ時点で勝ち目などない。一撃で仕留めるような火力が必要だった。
「一瞬でいい。タイミング見てあいつの動き止めろ」
「余裕」
「ミスんなよ」
うるさい、と呟いてAは上を眺める。爆豪がエンデヴァーと轟に指示を飛ばしているのを聞きながら、個性を切り替えた。乾いた血涙を擦り落として、その一瞬を待つ。
爆豪がエンデヴァーを上まで連れていき、その瞬間はすぐに訪れた。上空でエンデヴァーが構えた瞬間、Aは以前戦った敵の個性を真似て、死柄木の動きを止める。太陽のような熱が爆発する。確実に死柄木を焼いたはずだったのに、エンデヴァーを黒い何かが貫いた。緑谷を庇った爆豪も同様に貫かれる。
痛む手足など、最早どうでもよかった。今動かないとダメだと感じたから、そう思ったのなら動かないといけない。
ゆらりと宙へ浮くと、死柄木の前へと進む。近づくにつれ痛みがひどくなるが、退く理由にはならなかった。
「……弔っ、ダメだよ……退かナ────あんた……の……言っ言……言いっ〜〜……なり……には……」
葛藤する死柄木の前で腕を振るう。風が唸って、死柄木を支えている黒いものは崩れ去った。悲鳴を上げる腕を支えながらも、Aは死柄木の前から退かない。
飯田と波動が合流してからは入り乱れ乱戦状態へと陥った。相手は1人にも関わらず、苦戦を強いられる。突如地面が揺れて轟音が響いた。
ギガントマキアが死柄木の元へ辿り着いてしまったのだった。
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怜(プロフ) - そこら辺の石さん» ありがとうございます！そう言っていただけると京極ちゃんも喜ぶと思います。またどこかの作品でお会いしましょう！ (2022年12月17日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の石 - あの、好きです。泣きましたいや、ちょ、本当好きです。喉を圧縮されたような悲しみです。おま、主人公お前、まだまだやり残したことあるだろうわ、すみません泣きましたありがとうございました完結おめでとうございます…！ (2022年12月15日 16時) (レス) @page39 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。さん» ありがとうございます！ワンピースは書きたいんですが、ひとまず他の長編が落ち着いたらかな〜と思っています。気長にお待ちいただけるとお待ちいただけるとありがたいです！ (2022年9月1日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - ワンピース、、、ぜひ見たいです。凄く読みたいです…!!完結おめでとうございます！！ (2022年8月29日 1時) (レス) @page39 id: 009cff3277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年9月26日 5時
