もしもの未来は ページ23
爆豪オチifルートです。
＊＊＊
果たしてそれに気付いたのはいつだったか。思い返しても惚れる要素はなかったはずだとAは首を傾げた。
Aは他者からの思いには鈍感であるものの、自分の思いには聡い方である。この世界に来てからは罪悪感などでいっぱいだった胸の内が、初めて別の感情を迎えいれたのはAにとって衝撃的だった。
それが恋であり、相手が爆豪であれば、その衝撃は尚のことだった。
時は2ヶ月前に遡る。
いつものように喧嘩を吹っ掛ける爆豪に呆れて、Aは投げやり気味に爆豪にあしらった。
「そんなんしとったら、好きな子に幻滅されるじゃろうね」
「っ！？っ！！？」
「は？なんその顔」
衝撃と焦りを混ぜ込んだ爆豪の表情を訝しげにAが凝視する。バッと顔を背けた爆豪がずかずかと歩いていってしまうのを見届けると、Aは初めて勝利した感覚に酔いしれた。
いつもいつも何を言っても突っ掛かる爆豪が自ら背を向けたのだ。勝ち誇った笑みを浮かべてしまうのも仕方ないだろう。
それから数日間、爆豪は怖いくらい大人しかった。Aと爆豪の口喧嘩は1ｰA名物だったというのに、それすらなくなり、A組生徒が不安になるほどだった。
Aは清々していたが、次第に落ち着かなくなっていった。
何か病気でも患ったのかと問い詰めようとしたその日、爆豪からあの言葉を聞かなければ、その道はなかったはずだ。
「最近どしたん？」
「は？」
「突っ掛かってこんし、変なものでも食べたん？」
「……」
無言のままの爆豪がAを非難するように睨む。心当たりのないAは首を傾げた。深いため息をついた爆豪が渋々といったように口を開く。
「テメェが、」
「私が？」
「好きなやつに嫌われるとか言ったせいだろ」
「それだけ？」
「ああﾞ！？」
なんだ、とあっけらかんとするAに、またため息をついた爆豪は真剣な表情をした。
「好きなやつ、テメェのことだ」
「……………………え？」
「テメェが好きだっつってんだよ」
理解できていないAに追い討ちをかけるように爆豪はこう付け加えた。
「覚悟しろや」
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怜(プロフ) - そこら辺の石さん» ありがとうございます！そう言っていただけると京極ちゃんも喜ぶと思います。またどこかの作品でお会いしましょう！ (2022年12月17日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の石 - あの、好きです。泣きましたいや、ちょ、本当好きです。喉を圧縮されたような悲しみです。おま、主人公お前、まだまだやり残したことあるだろうわ、すみません泣きましたありがとうございました完結おめでとうございます…！ (2022年12月15日 16時) (レス) @page39 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。さん» ありがとうございます！ワンピースは書きたいんですが、ひとまず他の長編が落ち着いたらかな〜と思っています。気長にお待ちいただけるとお待ちいただけるとありがたいです！ (2022年9月1日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - ワンピース、、、ぜひ見たいです。凄く読みたいです…!!完結おめでとうございます！！ (2022年8月29日 1時) (レス) @page39 id: 009cff3277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年9月26日 5時
