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当日、衣装に着替えたAは遥か上空で漂う。スカートで隠れた足を抱え、目を閉じて耳を澄ませた。その間も楽しそうに歌を口ずさみ、これからの催事を楽しみにしているのは明白だ。
上空にも届くプレゼントマイクの声で文化祭が開催されたのを聞き、小さく花火が上がれば、Aのテンションも絶頂になるというもの。紙吹雪が舞い、風で飛んできた1枚を掴むと、ふうと息をかける。
少しばかりのサービスだと笑った彼女は、それを宙に放った。大きな花火が上がり、パラパラと火の粉の代わりに紙吹雪が広がる。地面に着く頃には消えてなくなっているだろうと笑った。
足をばたつかせ、ご機嫌に笑うAは不意に眼下を見下ろす。その瞬間一気に顔つきが変わった。さながら敵を睨むように不機嫌さを隠そうともしないその表情は仄暗い。すぐに耳に手を当てたAはどすの利いた声を出す。
「誰か聞いとる？なんか変なのおるんじゃけど」
『エクトプラズムダ。ソレハドコニイル？』
「真っ直ぐ森抜けてこっち来ようとしよる」
2人、と付け加えて舌打ちをする。今にも出動しようとしているAを止めたのはハウンドドッグだった。匂いがすると言い、ガサガサと草を掻き分ける音が続く。
待機の指示を出されたAはイライラを隠そうともせず、足を組んだ状態で頬杖をついた。即刻中止もあり得るこの状況で、侵入者を発見してしまったため、落ち着いてはいられない。自分が行った方が早いのではと苛立ち混じりに奥歯を噛み締め、ただ報告を待つ。
それから数十分やきもきしながら待っていたAの耳に届いたのは、緊急性はないという報告。大きく息を吐き出したAは準備をするべく、地上に降り立った。風で煽られたスカートを直し、個別通信が入ったことで会場に向けていた足を校門付近に向ける。
走ってきている緑谷たちを見つけて大きくため息をつくと、呆れた目で緑谷を睨んだ。
「着替えと怪我治すのいっぺんにするけん、止まって」
「ありがとう京極さん！」
「本当、何しとん。ばかなん？」
「う、返す言葉もありません……」
しょんぼりと肩を落とす緑谷にデコピンをすると、走るよう促す。怪我の痛みもなければ、服も既に着替えさせられており、緑谷は早業と呟いて走り出した。
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怜(プロフ) - そこら辺の石さん» ありがとうございます！そう言っていただけると京極ちゃんも喜ぶと思います。またどこかの作品でお会いしましょう！ (2022年12月17日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の石 - あの、好きです。泣きましたいや、ちょ、本当好きです。喉を圧縮されたような悲しみです。おま、主人公お前、まだまだやり残したことあるだろうわ、すみません泣きましたありがとうございました完結おめでとうございます…！ (2022年12月15日 16時) (レス) @page39 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。さん» ありがとうございます！ワンピースは書きたいんですが、ひとまず他の長編が落ち着いたらかな〜と思っています。気長にお待ちいただけるとお待ちいただけるとありがたいです！ (2022年9月1日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - ワンピース、、、ぜひ見たいです。凄く読みたいです…!!完結おめでとうございます！！ (2022年8月29日 1時) (レス) @page39 id: 009cff3277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年9月26日 5時
