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文化祭前夜。A組は体育館を借りて最終確認を行っていた。演出隊の切島たちはダンスを眺めながら、神妙に呟く。
「始める前は素人芸が……って不安だったけど、バンド隊もダンス隊も素人以上のモンになっちまったなァ」
「京極もヒーロー活動あったのに完成度高ェし！」
「いや、本当にそれ。俺正直無理かなって思ってた」
瀬戸と切島が顔を見合わせて頷き合う。そしてダンス隊に目を向けた。芦戸に小突かれているAは少し恥ずかしそうで、思わず顔が緩む。
「そういや、ニュースになってたよな」
「あー、空中で踊る京極な！」
「可愛いって話題になってさァ。またファン増えたんじゃね？」
やんややんやと次第に大きくなった声に気づいたのか、Aは瀬呂たちの方を見る。目が合った瀬呂は軽く手を振り、Aは戸惑いながらも振り返した。すぐに目を逸らされたものの、瀬呂の頬はでれでれと緩む。顎に手をやり、うんうんと頷く切島。
「丸くなったよな、京極も」
「なー。めーっちゃ可愛い」
そんな中ハウンドドッグが乱入し、慌てて片付けに移る。欠伸をしながら作業をしているAに瀬呂は近づき、肩を組んだ。困惑して揺れている瞳を覗き込むようにして回した腕で頭を撫でる。
「京極、ダンス上手いな」
「ん、ありがとう」
「俺さー、心配だったのよ」
身振り手振りで大袈裟に話す瀬呂に、Aは少し吹き出して笑った。その笑顔を見た瀬呂はにまぁと笑う。
「うわ、瀬呂が京極にセクハラしてる！！」
「それはねーだろ、上鳴」
「うわー！本当だ！保護者カモン！」
「誰かー！相澤先生呼んできてー！」
いつの間にか派閥に囲まれたAは、寮に戻る最中も絡まれ続けた。寝る前になっても大騒ぎをしている生徒を見て、Aは少し眩しそうに目を細める。
予想外ではあったものの、文化祭の準備が楽しかったのは事実で、Aにとってはこの上なく幸せだと感じるのだ。
まだ文化祭は始まっていないというのに心底幸せそうなAはくふくふと笑い、ベッドに入ってもしばらくは寝付けなかった。
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怜(プロフ) - そこら辺の石さん» ありがとうございます！そう言っていただけると京極ちゃんも喜ぶと思います。またどこかの作品でお会いしましょう！ (2022年12月17日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の石 - あの、好きです。泣きましたいや、ちょ、本当好きです。喉を圧縮されたような悲しみです。おま、主人公お前、まだまだやり残したことあるだろうわ、すみません泣きましたありがとうございました完結おめでとうございます…！ (2022年12月15日 16時) (レス) @page39 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。さん» ありがとうございます！ワンピースは書きたいんですが、ひとまず他の長編が落ち着いたらかな〜と思っています。気長にお待ちいただけるとお待ちいただけるとありがたいです！ (2022年9月1日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
レン。(プロフ) - ワンピース、、、ぜひ見たいです。凄く読みたいです…!!完結おめでとうございます！！ (2022年8月29日 1時) (レス) @page39 id: 009cff3277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2021年9月26日 5時
