魔力よりタバコをくれ 十二本目【ツイステ】

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夜。数人の寮生とアズールたちと一緒に、薬品庫の前で待ち伏せる。すると、足音が聞こえてきて一般客が見えた。

さて、マジカメモンスターかな。注意書きもあるんだ。それを無視した瞬間、客じゃ無くなる。

何も知らないまま、一般客は薬品庫へと入っていく。中から声が聞こえてきた。


「不気味で格好いい〜！いっぱい写真撮ろー」

「あの奥の台でポーズとったら盛れそうじゃね！？」

「……あ、でも看板に『セットに乗らないで』って書いてあるわ。自撮り棒も瓶が倒れるから『使用禁止』だって」


さあ、どうする？大人しく諦めるか、それとも強行するか。

虎視眈々と相手を見つめる。取り出した自撮り棒は収められることもなく、客はセットの方へと近付いていった。
いや、もう客じゃないか。立派なマジカメモンスターだ。

フラッシュがたかれて注意書きを無視した自撮りが始まる。あーあ、せっかく警告してやったのにな。


「はい、問題行動を確認しました。この時点をもって、彼らを『マジカメモンスター』と認定します」

「ふふふ……規則がなんのためにあるのか、親切な僕たちが彼らに教えてあげましょう！」

「ええ、海の魔女の慈愛の精神で……骨の髄までね」

「お前ら、準備を」


小声で会話をして寮生を促す。頷いて所定の位置に忍び寄っていくのを見て、ニンマリと笑った。
ここからが面白いシーンだ。

ゆらゆらと目を閉じて浮かんでいるフロイドに気付いたマジカメモンスターが無遠慮にジロジロと眺める。模型だと思い込んでるらしい。エラが動いてるのに気付かないのか？あんなに見ているのに？


「あっ、記念にここでも写真撮ろうぜ！『＃NRC記録』ってタグ付けて今レポしてんの」


そう言ってマジカメモンスターはまた自撮りの準備をする。角度とか一生懸命考えてるところだけど、そんな余裕すぐになくなるだろうな。

1人の寮生が暗闇に乗じて自撮り棒に当たる。そして、水槽にヒビが入った。

＊＊＊→←作戦と決行

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