＊＊＊ ページ4
「Aは卒業したら、僕たちと一緒に海に来るでしょう？」
「そうだな。そのつもりだけど」
「で、ここら辺住みやすいよって言ってるんだけど」
「ここまで言ったらもうわかりますね？」
ようやく3人の言っている意味がわかって、顔が熱くなる。視線を彷徨わせながら頷くと、満足そうに笑った。
俺が間違ってなければ、一緒に住もうってことだよな。それで、場所を決めようとしてるんだ。
恥ずかしくなって口を結ぶ。だって、まだ先のことじゃん。気が変わるかもしれないのに。
「でも、Aは泳ぐの苦手だから、もうちょっと街に近い方がいいかも」
「そうですね。それなら、あちらはいかがでしょう」
「行ってみましょうか。A、手を」
俺に負担をかけないように、とゆっくり泳ぎ出す。少し街に近付けば、賑わってきた。人魚が悠々と泳いで、俺を珍しそうに見てくる。
人間が来るのは珍しいんだろうか。珊瑚の海の観光スポットだって特集してあるくらいだから、そんなに珍しくないと思ってたんだけど。
ぐるぐる周りを泳いでいたフロイドが口を開ける。それから軽く動かすと、周りの人魚は逃げていった。
ジェイドとアズールがくすくす笑って、何もわからない俺はジェイドの手を引く。人魚語ってやつ？全くわからないんだけど。
「少し威嚇しただけですよ。Aは見られるのが苦手でしょう？」
「そうだけど」
ううん……まあ、いいか。なんて言ったか気になるけど、別に支障はないし。
それから物件探しみたいなことをして、太陽光が差し込まなくなった頃、ジェイドとフロイドの実家へと戻った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - 流さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！！ (2021年1月4日 2時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
流 - 怜さんの作品を読ませていただくととても癒されます。更新ありがとうございます！ (2021年1月3日 23時) (レス) id: 8e53585766 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - クレイさん» ありがとうございます〜！次回もお楽しみに！ (2020年12月11日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 次も楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年12月11日 0時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - クレイさん» 更新頑張りますね！ (2020年12月7日 2時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2020年11月11日 19時
