31-3 ページ40
「お前はゴミ溜め育ちのハイエナで、俺は永遠に王になれない嫌われ者の第二王子!なにをしようが、それが覆ることは絶対にねぇ!」
声を荒げたレオナさんは寮生に非難される。ボタボタとインクが零れる音がして、周囲が砂に変わっていった。
やっとだ。やっとなんだ!
乾いていく身体なんて興味ない。ひび割れた腕も痛くない。
「これが俺のユニーク魔法……『
ラギーさんが苦しげに呻く。一番近くにいるせいか、ユニーク魔法の干渉が強いんだ。
リドル寮長の魔法も弾かれて、レオナさんの魔法を止めることができない。みんなが懸命に止めようとするけど、レオナさんは強い。
「それほどの力があって、何故こんなことをする!」
「何故……?理由なんか聞いてどうする。俺を叱って、慰めてくれるって?」
努力したってどうにもならないことがある。うん、その通り。
その通りだよ。だから、そのまま。オーバーブロットして。僕が努力したってオーバーブロットは引き起こせないから。
僕はエンティティさまに恩返しできる機会を潰さないで。
「──もうやめねぇか!!『
ジャックくんが大きな狼になったかと思えば、そのままレオナさんに突撃する。そのせいで、リドル寮長のユニーク魔法が通ってしまった。
ああ、もう少しだったのに!なんで邪魔をするの!
忽ち砂嵐は消え去って、視界が良好になる。ブロットが溜まらないとオーバーブロットはしない。このままじゃ、エンティティさまの食事が台無しになってしまう……!
どうにかならないかな。僕じゃリドル寮長のユニーク魔法を解けないのに。
みんなに責められるレオナさん。眉間に皺を寄せてうざったいと言わんばかりだ。リリア先輩が王にはなれない、と詰った瞬間、レオナさんは笑い始めた。
「俺は絶対に王になれない………どれだけ努力しようがなァ………!」
「その苦痛が、絶望が……お前らにわかるかぁアアアアアアアッ!」
579人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - もち。さん» ただいま戻りました!ちゃんと仲良くなれるといいんですが……。ありがとうございます。頑張りますね! (2020年10月5日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - おかえりなさい!!お待ちしてました!ジャックくんと主人公たしかにそりが合わなそう。勝負に対する考え方真逆ですもんね。どう関わってくるか楽しみです!応援してます! (2020年10月4日 17時) (レス) id: 5b70128490 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - akneさん» ただいま戻りました〜!これからも頑張りますので、どうぞよろしく! (2020年9月26日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
akne(プロフ) - お帰りなさい!無理せずゆっくりでいいですよ!いつまでも待ってます! (2020年9月25日 22時) (レス) id: b4edb87e83 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - ポコポコさん» そのためのこの小説ですので……お楽しみくださいませ (2020年9月4日 14時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:怜 | 作成日時:2020年8月30日 3時