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それからティーカップを渡されて、カンパイする。僕のティーカップには見慣れたオレンジ色じゃなくて、濃い黒色が揺らめいていた。
不思議そうな顔をしていた僕に、リドル寮長が笑う。
「ジェイドからキミは珈琲の方が好きだと聞いてね。彼から聞くのは嫌だったんだけど、今回の『なんでもない日』のパーティーはキミのためでもあるから」
「わざわざありがとうございます」
「ふふふ。全員がパーティーを楽しめるようにするのは寮長の勤めだ」
じんわりと寮長の優しさが染みる。それと同時に少し罪悪感が湧き上がった。
僕はエンティティさまのために動いただけなのに。こんなに良くしてもらっていいんだろうか。リドル寮長はそんなこと知らないから、僕に優しくしてくれるんだろうけど。
なんだか騙してるみたいで、居心地が悪いな。いや、僕が気にしなければいい話なんだけどね。
「で、寮長の詫びタルトは結局どうなったの?」
「ち、ちゃんと作ってきてるよ。これ。この苺のタルトはボクが作った」
「うんうん。形は少し不格好だけど、苺の艶を出すナパージュを塗るひと手間もかけてるし」
確かに綺麗に出来てる。僕、お菓子作りはしたことあるけど。タルトとか作ったことないし。初めてだっていうのに、すごく綺麗。リドル寮長って器用なんだね。
食べようってエースくんが言って、ケイト先輩がすかさずシャッターを切る。マメな人だな。ついでとばかりに僕の写真も撮るから、目を細めた。
「んじゃ、いただきまーす。……パクッ!」
「はぐっ!」
「……ん!?」
デュースくんの反応があんまり良くなかったから、思わずフォークを下ろす。なに、その反応。ちょっと怖くなるじゃん。
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怜(プロフ) - もち。さん» ただいま戻りました!ちゃんと仲良くなれるといいんですが……。ありがとうございます。頑張りますね! (2020年10月5日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - おかえりなさい!!お待ちしてました!ジャックくんと主人公たしかにそりが合わなそう。勝負に対する考え方真逆ですもんね。どう関わってくるか楽しみです!応援してます! (2020年10月4日 17時) (レス) id: 5b70128490 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - akneさん» ただいま戻りました〜!これからも頑張りますので、どうぞよろしく! (2020年9月26日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
akne(プロフ) - お帰りなさい!無理せずゆっくりでいいですよ!いつまでも待ってます! (2020年9月25日 22時) (レス) id: b4edb87e83 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - ポコポコさん» そのためのこの小説ですので……お楽しみくださいませ (2020年9月4日 14時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2020年8月30日 3時