悪魔の番外編【ヒロアカ】 (ページ9)

今日:14 hit、昨日:13 hit、合計:63,235 hit

Ver.夢主が敵だった：Part4 ページ9

｢死柄木弔｣

黒霧さんが弔に呼びかける。生徒の1人に逃げられた、らしい。つまり、応援を呼ばれるっていうことで、そうなると成功が難しくなる。それに、オールマイトはまだ来ない。

苛立った弔がガリガリと首を掻き毟る。うっすらと血が滲んでいくその行為をやんわりと止めると、弔は唸り始めた。ブツブツと呟くと『帰る』宣言をして、どこかに目を向ける。

その先には、3人の生徒。

弔と共にその生徒たちの前に出る。弔は女の子に、わたしは小さな男の子に、手を触れた。崩れていくはずのその2人は原型を保ったままで、チラリと後ろを見る。

｢本っ当かっこいいぜ…イレイザーヘッド｣

再び地面に叩きつけられるプロヒーロー。

自分を犠牲にして、何が楽しいの。痛いの好きじゃないでしょ。ヒーローという訳の分からない人種は、予測がつかなくて嫌いだ。

ヒーローへの非難を脳内で垂れ流しにしていると、1人の子供が殴りかかってきた。それは脳無によって防がれて、ついでに壊そうとしていた時。

不意に大きな音を立てて開いた扉。そこには心待ちにしたNO.1ヒーローが、いつもの笑顔を浮かべずに(・・・・・)立っていた。
その気迫に思わず身震いをする。

｢私が来た｣

｢待ったよ、ヒーロー。社会のごみめ｣

｢漸く会えたね、忌まわしい人｣

あなたに対して怨みはそれ程ないけれど、カミサマたちがいらないっていうんだもの。カミサマの言うことは絶対(・・)だから。

｢あなたに死んでほしいので、壊させて？｣

いつも言うその一言を。

安心を与えるその一言を。

二度と言えないように。