HBD：Ver.切島鋭児郎 ページ45
今日は切島くんの誕生日。だから、みんなで祝うことになって……。
机の上にはクラスのみんなで用意したケーキ。それぞれクラッカーを手に持って、上鳴くんに連れられて来ているだろう切島くんを待つ。
あの勝己くんですら渋々クラッカーを持っているのだから、切島くんという人は結構すごい。
暫くすると上鳴くんの声と切島くんの声が聞こえてきた。そろそろだね。
みんなと頷きあって、クラッカーを構える。ガチャ、とゆっくりドアが開いて……。
｢｢誕生日おめでとー！！｣｣
大きなクラッカーの音と、少しの火薬の匂い。目をぱちくりさせる切島くんに笑いかけて、ケーキを見せた。
途端、キラキラと目を輝かせる切島くん。そして、恥ずかしそうに笑った。
｢みんな、ありがとな！｣
｢切島にプレゼントー！｣
みんなに渡されていくプレゼント。それが山になった頃、わたしも渡した。真っ赤なリストバンドはきっと切島くんに似合うでしょ？
｢切島くん、誕生日おめでとう！｣
｢おう！ありがとな｣
キラキラ眩しい笑顔でお礼を言われるなんて、ちょっとくすぐったいね。ふふ、と笑えば、切島くんはニッと笑った。
｢そういえば、降魔の誕生日っていつなんだ？｣
｢わたしは6月6日だよ｣
｢あー、過ぎてんのかぁ……｣
しょんぼりする切島くん。きゅん、と胸が高鳴った。
切島くんって犬っぽいよね……。かわいいな…。
｢じゃあ！来年！絶対祝うから！｣
｢うん！ありがとう｣
握り拳をつくってそう言う切島くん。さらにきゅんとしたのは言うまでもない。
【完】
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作者名：怜
| 作成日時：2018年5月10日 20時
