Ver.幼児化した：Part9 ページ24
side：蛙吹梅雨
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ヒーロー基礎学が終わって、帰りのバスの中。Aちゃんは相澤先生の膝の上でぐっすりと寝ていたわ。きっと、疲れたのね。たくさん走り回っていたAちゃんを思い返して、微笑ましくなる。
それに、相澤先生がすごく優しそうな顔をするから、驚いてしまったわ。こんな顔もするのね。
｢相澤先生、Aちゃん抱えるの替わるわ｣
｢いや、大丈夫だ。離れないから｣
そう言って見せてくれたのは、相澤先生の服を掴んでいるAちゃん。ケロ、すごく懐かれているのね。嫉妬しちゃいそうだわ。
それにしても、未だ戻らないのね。いつものAちゃんじゃないから、ちょっと寂しいわ。私が沈んだ顔をしているのが分かったのか、相澤先生が口を開いたの。
｢長くても1日だ。もう少しの辛抱だろ｣
｢……ええ、そうね。ケロッ｣
やっぱり相澤先生は優しいのね。少し元気が出たわ。
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side：緑谷出久
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寮に戻った僕らは驚きの光景を目にすることになる。かっちゃんが…かっちゃんが……！
｢おい、悪魔｣
｢やー！あくまじゃなくてA！｣
｢……A｣
｢なーにー！｣
降魔さんにくっつかれて笑ってる！いつもの敵顔じゃない！レアだ！ソファーに座ったかっちゃんの膝の上に乗る勇者、降魔さんはにこにこと笑っていた。いつの間にあんなに距離を縮めたんだ！？
｢ばくごー！｣
｢勝己、だ｣
｢かつき！｣
｢なんだ｣
爆豪派閥が灰になっていく中、あそこだけ異空間にいるみたいだ……。クラスのみんなも驚きを隠せてない。斯く言う僕もそうなんだけど。
一足先に復活した切島くんがかっちゃんに絡みに行く。そして見事撃沈していた…。かっちゃん、容赦がなさすぎる。そんなに降魔さんとの時間を邪魔されたくないのか……。
｢きりしま！｣
｢降魔〜！お前は良い奴だな！｣
降魔さんに頭を撫でられて即復活した切島くん、強いな。そんな切島くんをすごい形相で睨むかっちゃんもかっちゃんだけど。
そのまま降魔さんは爆豪派閥とわちゃわちゃと楽しそうにしていた。主にかっちゃんに爆破されていくみんなを撫でる役目だけど。その度にまた爆破されていくから、キリがなかった。
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作者名：怜
| 作成日時：2018年5月10日 20時
