悪魔の番外編【ヒロアカ】 (ページ2)

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○○しないと出られない部屋：Ver.相澤消太ページ2

｢……い、…きろ……うま…起きろ…降魔｣

｢ぅむ……ん？｣

ゆさゆさと揺さぶられて、薄目を開ける。そして見える、視界いっぱいに広がる相澤先生……相澤先生！？？

バッと体を起こして周りを見渡した。真っ白で何の変哲もない部屋。そこにわたしと相澤先生の2人だけ。
混乱しているのを悟ったのか、先生はため息をついて説明してくれた。

曰く、先生が起きた時にはここにわたしといた、とのことで。何らかの“個性”かと思って“個性”を使ってみても変化はなかった。扉はあるが何故か開かないし、変なお題らしきものがあった、らしい。

そのお題なんだけど、

｢1分間抱き合うこと、ですか｣

｢そういうことだ｣

難しい顔をしている相澤先生を見て、首を傾げた。そんなに難しいことではない気がするんだけどなあ。
相澤先生はため息をまたついて、わたしの頭を軽く叩く。

｢出れるかもしれないなら試す価値はありますよ｣

腕を広げて相澤先生を見ると、再三ため息をついてゆっくりと抱きしめられる。
すると真っ白な壁からタイマーが出てきて、カウントが始まった。

｢おお、なんだかハイテクですね｣

｢呑気だな、お前は｣

先生の低い声が頭の上から聞こえる。それがなんとなく心地よくて、だんだんと眠くなっていった。
うとうとと船を漕ぎながら、ゆっくりと会話を続けていく。

｢眠いのか｣

｢先生の声が…子守唄に聞こえる、んです｣

｢あと少しだから我慢しろ｣

漸くカウントが0になって、カチリと音が鳴る。先生が腕を解いて扉の方へ歩いていった。
わたしもそれに着いていって、先生が開けた扉を通る。

｢何だったんですかね、この部屋｣

｢知るか。出れたんだからいいだろ｣

｢それもそうですね｣

＊＊＊

どくどくといつもより早く鼓動する心臓を押さえる。
柔い身体に少し高めの体温、甘い香りが未だ鮮明に思い出せた。それを忘れたくて、頭を乱雑にかく。

こんなにも乱されるのは、初めてだった。

｢相手は、生徒だろうが｣

許されるわけがない。