HBD：Ver.爆豪勝己 ページ1
付き合ってる設定ですごゆっくりィ！
＊＊＊
今日、4月20日は爆豪くんの誕生日らしい。爆豪くんに直接聞いたわけじゃなくて、緑谷くんにさっき聞いたのだ。
爆豪くん、自分の誕生日アピールなんてしてくれないんだもの。何にも準備してないよ。
何かをプレゼントしたいんだけど、爆豪くんの欲しいものなんて分からない。こういう時こそ幼馴染の緑谷くんに聞くべきだね！
｢緑谷くん！ちょっといいかな？｣
｢うっうん！！な、なにかな！？｣
ぐいっと顔を近づけながら聞くと、顔を真っ赤にして激しく頷いた緑谷くん。そんなに頷くと首もげないかな？
まあ、それは置いといて。緑谷くんに爆豪くんの欲しい物に心当たりがあるか、聞いてみる。緑谷くんはうんうんと唸りながらも、一つ答えてくれた。
＊＊＊
前方にゆっくりと歩いている爆豪くんを発見。緑谷くんに言われたことを試すため、静かに気づかれないように、後ろから近付いていく。
____あっ！かっちゃんのこと、名前で呼んでみたら？____
付き合い始めて数週間。恥ずかしくて名前を呼べないわたしを、不敵に笑んで待っててやる、と言ってくれた爆豪くんのために、ちょっと一肌脱いでみようと思います！
ゆっくりと近付いてあと2mといったところ、爆豪くんが不意に振り向いた。驚いたように目を見開いた爆豪くんに抱きつく。
ふわりと甘いニトロの匂いが鼻腔をかすめた。そして、勇気を出して一言。
｢お誕生日おめでとう、勝己くん｣
じわりじわりと熱を持っていく頬を隠すように、勝己くんの胸に顔を埋める。
数秒待っても反応がなくてゆっくりと顔を上げれば、薄く頬を染めた勝己くんがいた。目を丸くして見つめれば、大きくて厚い掌で目を覆われる。
｢んで…名前……｣
｢今日勝己くんの誕生日でしょ？プレゼント何も用意してなかったから｣
そのままの体制で言葉を交わす。
暫くすると外された手。そこにいたのはさっきまでの可愛い勝己くんじゃなくて、いつもの余裕そうな勝己くんだった。
｢そんで、それで終いかよ｣
｢言ったでしょ。プレゼント用意してないんだよ｣
ぐいっと近づく勝己くんの顔。
小さく鳴るリップ音。
｢これで許してやるよ｣
それを理解した瞬間、一気に顔が熱くなる。甘い甘い気持ちが胸いっぱいに広がり、幸せという感情に支配された。
また勝己くんの胸に頭を預けて、小さく呟く。
｢勝己くん好き。生まれてきてくれてありがとう｣
｢……俺も好きだわくそが｣
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作者名：怜
| 作成日時：2018年5月10日 20時
