魔力よりタバコをくれ 二本目【ツイステ】

寝起きの頭痛と知恵熱 ページ24

side：A

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小さく声が聞こえて、薄目を開けた。


「あ、起きたぁ？水飲める？ジェイド〜、シャチちゃん起きた。水持ってきて」

「はいはい」


フロイドが覗き込んでくる。すごく寂しそうで、心配をした、と顔に書いてあった。
ゆっくり体を起こすと、フロイドがすぐに支えてくれる。


「あたま、いたい」

「知恵熱で〜す。あれから丸一日寝てましたぁ。オレ、すげー心配したんだけど」

「ありがとう」

「ん、いーこ」


フロイドの冷たい手が気持ちよくて、目を細めた。
知恵熱って最近はなかったのに。慣れないことばかりしてたせいだろうな。

ジェイドが水を持ってくると、フロイドがそれを受け取って俺に渡してくれる。ゆっくり飲めば、喉が痛い。
やけになって、タバコ吸いすぎた。今度から気をつけないと。


「めちゃくちゃ学園ちょーからメール入ってたから、適当に返しといたよ。それから、しばらくウチに泊まってね。戻ったらシャチちゃん休めねーし」

「フロイド………優秀だな？」

「まだ熱あるから、ボケてんだね。薬飲んで寝ろ」


熱のせいで頭が回らない。言われるまま、薬を飲んでまた布団に逆戻り。
しばらくボーッとしていると、いろんなことが気になってくる。

監督生は大丈夫だろうか。ご飯とか、洗濯物も。リドル・ローズハートの件も。
八つ当たりしたことも謝らないと。

ああ、でも。しばらくは帰れないんだったな。えーっと、連絡しとかないと。
あれ、監督生はスマホを持っていないな。どうやって連絡すれば？

アズールにシガレットケース返してもらわないと。
魔法使って、前みたいにメモ書けば良い。

それからそれから。


「シャチちゃん、はやく寝てよ」

「フロイド、でも」
「寝ろ。それとも添い寝してほしいのぉ？」


目が笑ってない。これはすごく怒ってるな。
大人しく目を瞑る。寝過ぎて寝れない、なんてことはなく、俺はすぐに眠ってしまった。




「ほんと、世話が焼けるシャチちゃん♡」

「次は僕が看病する番ですよ」

「僕はあの魔法が使えない人間に手紙を出しに行くので、きちんと看病しておいてくださいね」

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