夢じゃない入学式とデジャヴ ページ5
一筋の明かりが差し込む。目を開けると、そこは鏡がおいてある部屋だった。さっきまで入っていただろう棺桶から出ると、一瞬のデジャヴ。
ああ、ついに来てしまった。ナイトレイブンカレッジ入学式に。
俺がいた棺桶はふわりと浮かんでいく。それを見届けて、列を成している生徒に倣った。
たしか、あいつは原作一年前に送ると言っていたな。ということは、今日は何も起こらない。新入生が一人いなくなりはしないし、狸が火を噴くこともない。
気楽だ。
『原作一年前に送るから、原作が始まる前に自分の立場を確保しておくといい。原作に巻き込まれたくないというのなら、そのように。彼らの手助けがしたいのなら、そのように。向こうへ行けば、あとは君の自由だ』
俺を異世界に送るという割に、あいつの目的はハッキリとしていない。俺に何をしてほしいというわけでもなかった。
ただ、俺を異世界に送るという決定事項をスムーズに進めただけだ。
考え事をしていると、前の人が蹌踉ける。腰を支えてやると、驚いたように肩を揺らした。
「…ありがとうございます」
「いや」
フードから覗く銀色の髪。勝ち気そうな吊り目は不安そうに揺れていた。
そいつから目を逸らして、前を向く。
学園長が話す長ったらしい話を半分聞きながら、シガレットケースに触れた。
あいつは寮分けする前に吸っておいた方がいい、なんて言ってたけど、この状況じゃ吸うのは無理そうだな。
どうするか、と悩んでいれば、話は終わったらしい。そして、それは寮分けまでのタイムリミットが切れた、と言うことも示している。
ああ、面倒なことになる。入学式に目立つのは良くないのに。
次々と鏡の前へ呼ばれていく生徒を眺めながら、いっそのこと面倒事にしてやろうか、と考えてしまう。トラブルメーカー、上等じゃないか。
来年入ってくるトラブルメーカーには及ばないだろうが。
「A・マクミラン」
慣れない名前を呼ばれて、鏡の前へ立つ。
「汝の名を告げよ」
「A・マクミラン」
「A・マクミラン……。汝の魂のかたちは………」
その先は予測できる。主人公が言われる言葉だ。今の俺に魔力はない。
なにせ、タバコを吸ってないからな。
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白鳥 - ヤヴァイ夢主がハイキューの国見にしか見えないwwwwあっえーとこのシリーズとっっっっても面白くて毎回楽しく読んでます！これからも更新頑張ってください! (2022年4月2日 20時) (
レス) @page1 id: 788cb9ebbb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - (名前)太中大好き人間さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年7月4日 12時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)太中大好き人間(プロフ) - タバコで魔力という柔軟な想像力が凄いです！これからも頑張ってください！ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 5bc9e3e078 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - きせるさん» ありがとうございます、嬉しいです！続編でもどうぞご贔屓ください！ (2020年6月4日 15時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
きせる - とても面白いし、夢主の性格とか凄く好きです！続編も楽しみにしてます(*^▽^*) (2020年6月4日 13時) (レス) id: 36960cc352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年6月2日 0時
