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みんなのところに戻って、事のあらましを伝える。みんなの判断を仰ぐと、飯田くんは真剣な表情で脱出するべきだと言った。百ちゃんも賛同するって。
「脱出は困難だと思う。ここは敵犯罪者を収容するタルタロスと同じレベルの防災設計で建てられているから」
「じゃあ、救けが来るまでおとなしく待つしか……」
救けが本当に来るのかな。だって、警備マシンが街中にいるんだよ。不審な動きをしたらすぐに捕まるか、敵が一般人に手を出すかの2択。そもそも街にいる人はここの状況を知らないだろうから、救助なんて考えが浮かばない可能性だってある。
実際ハカセから聞いた話によれば、警備システムをなんとかしないと、ここまで来るのは難しいって。
「俺らはヒーローを目指してる……」
「ですから、私たちはまだヒーロー活動を……」
「だからって、何もしないでいいのか？」
言葉に詰まる百ちゃん。
わたしは救けたいって思うよ。みんなはどうかな？
「救けたい」
「デク君？」
「救けに行きたい」
緑谷くんも同じなんだね。じゃあ、話は早い。
敵と戦わずにみんなを救ける方法。難しいけど、ないわけじゃない。
「警備システム」
「え？」
「I・アイランドの警備システムはこのタワーの最上階にある。そうですよね、メリッサさん」
「ええ。敵の監視を逃れ、最上階に行くことができれば、みんなを救けられるかもしれない」
戦わずに救けるのなら、この方法しかない。システムさえ戻せれば、こっちの勝ちだ。それに、ハカセが解放されれば、わたしの戦闘許可も出してもらえるだろうし。
というのも、I・アイランドにいる間、わたしの権限はハカセの一存に依存する。ハカセの研究対象として、I・アイランドに滞在してるからね。ハカセはこれを嫌ってるんだけど、まあ、こういう緊急事態だから。
メリッサさんには警備システムを変更する役目をお願いして、準備を整える。
「行こう、緑谷くん」
「うん。みんなを救けに！」
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作者名：怜
| 作成日時：2019年2月23日 21時
