悪魔の英雄記【ヒロアカ】 (ページ18)

今日:3 hit、昨日:9 hit、合計:8,363 hit

Chapter.6─宴─ ページ18

青い空と湖。目の前には焼かれたお肉と野菜。そう、バーベキューだ！

「さぁ食べなさい！」

「いっただきまーす！！」

わーい、と歓声を上げながら、お皿にお肉と野菜をバランス良く盛り付ける。それを横から取られた。じろっと睨みつけると、爆豪くんは憎たらしいほどの笑みを浮かべていた。

もー、とブツブツ言いながら同じようにお肉と野菜を取る。すると、爆豪くんに手を引かれて静かなところに腰を下ろした。

「あっちで食べないの？」

「うるせぇんだよ」

「そーいうものだって」

そう言って、お肉を頬張る。うんまぁ～、と頬を緩ませた。隣で爆豪くんも口角を上げる。美味しいね、と笑いかけると、鼻で笑われた。

「爆豪に肉持ってきてやったのに、降魔と2人きりってどういうこと！？」

「野菜も取ってる！？」

「違うよー。わたしの取ったんだよ、爆豪くんは」

切島くんたちがやってきて、賑やかになる。爆豪くんは眉を顰めたけど、何も言わなかった。

ぴりり、と携帯が鳴る。またハカセからだ。

「もしもし」

『うわーん！Aちゃん！助けてぇ！』

「どうしたんですか？」

『始末書！助手に任せようとしたらさ、休暇に出てて！』

電話越しに泣き真似をしているハカセ。クスクスと笑って帰ったら手伝いますよ、と言う。途端爆豪くんに携帯を取られた。目を瞬かせている間に爆豪くんはハカセに向かってこう言う。

「始末書1つ満足に書けねんか。ハカセっつーのは名ばかりだなァ」

ぴ、と通話を切る音。一拍遅れて爆豪くんの言葉を理解して、慌てて携帯を取り上げた。
何してるの！ハカセはすごい人なのに！そんな人にあんなこと言うって！

たくさん文句が浮かんでは消える。涼しげな表情をしている爆豪くんには何を言っても無駄に思えてしまって、ため息をついた。

「も～、爆豪くんは……」

「ほっとけ、あんなヤツ」

「ハカセはすごい人だって何回も言ってるのに」

馬鹿馬鹿しくなって野菜を口に放り込んだ。