悪魔の英雄記【ヒロアカ】 (ページ2)

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Chapter.2─研究室にて─ ページ2

ピッ……ピッ……。規則的な音が鳴り響く。機械に囲まれた部屋で全身スキャナーにかけられた。特殊繊維で作られている服を透過した光はわたしの内部を隈無く調べ尽くす。

「“個性値”は正常だね。上昇傾向にあるということはまた強くなったみたいだ」

ブツブツと呟きながらモニターを見つめるハカセは珍しく眼鏡をしている。コンタクト、切らしちゃったって言ってたなあ。ハカセが備品とかを切らすのは少なくない。おっちょこちょいで抜けていてるんだ。爆豪くんも呆れるくらいには、ね。

そんなことを考えていると、わたしの携帯が鳴る。出ても大丈夫だよ、と片手を振るハカセに甘えて携帯を取ると、『爆豪くん』と表示されていた。噂をすれば影ってやつかな？画面をスライドさせて通話に出ると、落ち着いた声が耳に届く。

『今ついた』

「そうなの？わたし、今研究室にいるよ」

『あいつか…。迎えに行く』

きょと、と目を瞬かせた。爆豪くん、ハカセに会いたくないって言ってたのに。迎えに来たらばったり鉢合わせすることになるよ。大丈夫かな？いや、大丈夫じゃない。ハカセに挑発されて爆豪くんが怒っちゃうのがオチだ！それは駄目！防がないと。

慌ててハカセに確認を取る。もう遊びに行っても大丈夫かって。頷いたハカセを見て、爆豪くんに話しかけた。

「もう遊びに行っても良いみたいだから、わたしがそっちに行く！どこに行けば良い？」

『………。エキスポ会場。はよ来いや』

「はーい」

あとで、と言って通話を切る。更衣室に行ってコスチュームに着替えた。これでエキスポ会場に行けば、動きやすいよね。アトラクションがたくさんあるらしいし！いっぱい遊ぶぞー！

「あ、Aちゃん、これ。お小遣いね」

「あの、ハカセ…わたし、子どもじゃないんですけど」

「16歳はまだ子ども！それに、僕にとってAちゃんは娘みたいな子だからね。これくらいはさせてほしいな？」

捨てられた子犬のような目をしてそう言われたものだから、断れなくて…。お小遣いと称して渡されたそれは結構な重さだった。