悪魔の英雄記【ヒロアカ】 (ページ1)

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Chapter.1─とあるメール─ ページ1

夏休み前日。合宿ももうすぐってことで、すごくワクワクしながら終業式を終えたころ。マナーモードにしていた携帯がふるふると震えて、メールを受信したことを知らせる。誰だろう？

不思議に思ってすぐにメールボックスを開くと、そこには【ハカセ】の文字。件名は【至急】だけ。なんだか怖くなるような件名だけど、とりあえず至急ってことなら早く返信しないと。

メールをタップして、内容を読む。そして、脱力した。それはもう、ガクリと肩を落とすくらいには。

――――

至急って件名にしたから、きっと焦ってこれを読んでいるだろう、可愛い悪魔ちゃんへ。

実はI・エキスポのプレオープンがあるんだけど、それに君を招待しようと思ってね。招待状を送っておいたから、受け取って欲しいな。
ついでに“個性値”を測定するから、必ず来ること。コスチュームも持ってきてね。

会えるのを楽しみにしているよ。

――――

是非、と返信して、またため息を吐いた。もう…。ハカセはすぐにこういうことをするんだから…。
でも、久しぶりにハカセに会えるし。今回は水に流そうかな。少しだけ笑って、携帯を収める。そして、前を向くと目の前に爆豪くんの顔が……。じーっと穴が開くくらい見つめられているんだけど。

どうしたの、と首を傾げると、鼻を鳴らす。気に入らないってわけでもなさそうだし。何か言いたそう……？

「夏休み、暇だろ」

「暇だね」

「I・エキスポ、行くぞ」

招待状もらった、と付け加える爆豪くん。でもね、爆豪くん。わたしも持ってるんだ。そう言う代わりにさっきのメールを見せた。すると、爆豪くんは眉を顰める。
えーっと、そういう反応されるとは思わなかったなあ。

照れ隠しをするみたいに、頭を撫でられる。それも結構乱暴だから、くらくらと視界が揺れた。

「向こうついたら連絡しろ。いいな」

「分かったから、やめてよ～」

降参と手を上げると、満足したのか、不敵な笑みを浮かべる。ぐしゃぐしゃになった髪を整えて、わたしも笑ってみせた。