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三日目、昼。
個性を伸ばす訓練は引き続き苛烈を極めていた。その一方、Aはのんびりと宙を揺蕩う。
しなくても良いと言われた面倒なことを進んでするほど、彼女は向上心に溢れていない。言われればやる、言われないのであればやらない。
くあり、と大きく欠伸をすると、タンポポの綿毛のように風に吹かれる。ふわりふわりと屋根まで浮かび上がると、そのまま寝転んだ。
「京極」
「……なに？」
ごろごろと斜面を転がり、軒先で止まると、下を見下ろす。相澤が呆れたように笑い、手招きした。軒先から落ちるように地面に降り立つA。のんびり立ち上がると、慣れたように相澤を見上げた。
「屋根は汚いだろ」
軽くジャージを叩き、汚れを落とす相澤。されるがまま、Aは目を細めた。
「やることないけん、退屈」
「寝るか？」
ぼやくAを宥めるように撫で、生徒に目を向ける相澤。
内心、Aを合宿に連れてきたのは間違いだったか、と悩みながら、また宙に浮かびだしたAの腕を掴んだ。せっかく汚れをとったのに、また屋根に登られるのは勘弁したいのだろう。
「…………帰る」
「は…？帰るって……」
「ちーちゃんとこ帰る！」
駄々を捏ね始めるA。
三日目にしてもう我慢できないらしい。やだやだと首を振り、眉尻を下げた。すっかり我儘モードになっているAは既に帰る準備を始めている。あれやこれや、荷物をかき集めて、目の色を変えようとしたところで、不意に手を止めた。
遠くを見据え、首を傾げる。相澤も釣られてその視線の先を見た。が、何もない。Aに目を向けると、遠くをじっと見つめたまま、動かない。
焦れた相澤が眼前で手を振ると、ようやく相澤に目が向いた。きょときょと、と目が揺れ動くA。
「何かあったか？」
「分からんけど、いた」
そのまま難しそうな顔で考え込むAは既に帰ることを忘れていた。
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怜(プロフ) - 夜にラーメンを食べた罪人のモブさん» ありがとうございます！今後の展開がどうなるかはまだ決めてませんが、更新頑張りますので、今後もどうぞお楽しみに！ (2021年8月29日 6時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
夜にラーメンを食べた罪人のモブ - めちょめちょこの話面白いです！！！こっからの展開がものすごく気になります！！更新ほんま頑張ってください！！応援しまくってます！！ (2021年8月26日 5時) (レス) id: 485c7d75ea (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます。頑張りますね！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 作者さま、おっけーです！面白いですからねー！ごゆっくり！！！ (2021年8月13日 20時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。@人間失格さん» ヒロアカ映画で再熱しまして…頻度は少ないですが、こちらも少しずつ更新していこうと思っておりますので、お楽しみに！ (2021年8月11日 21時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2019年1月9日 22時
