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「本当にヒーロー志望じゃないの？え、ほんと？そんな実力持ってて？」
「ひざしに説得されたけん、来てるだけ。しつこい」
一日目が終了し、事務所に寝泊まりするため、布団を引く。常闇とは別室で、少し心寂しいと思っている矢先、ノックもなしにホークスが突撃してきた。上記のことを何度も聞いてくるホークスに嫌気がさしてしまうのも仕方ないのだろう。
「いや、本当に勿体ないね。何がそんなに嫌なの？金も名声も入って、人助けって良いことも出来て。同級生もヒーロー目指してる子が多いのに」
指折り数えてメリットを上げていくホークスを胡乱げに見たあと、Aは目を伏せた。確かに緑谷もヒーローになると息巻き、藻掻いている。それを間近で見て、そうなるのが普通なのだろうとAも感じていた。しかし、彼女は根っからの善人にはなれない。
痛いのも、苦しいのも。全部嫌だ。大切な人が怪我をするのも嫌だ。我儘であると鼻で笑われたとしても、嫌なことはしたくない。
息を吐いたAは目を上げて驚く。ホークスがじーっとこちらを見ていたのだ。見透かすように、じーっと。
居心地が悪い、と身じろぎをして視線を逸らした。
「そのひざしって人に説得されたらヒーローやるの？」
「………やらない」
大きく間が開いたものの、その声には決意が満ちている。確固たる意思で『やらない』と言っている以上、本当にヒーローになる気がないのだろう。
「やーっぱ、勿体ないんだよな」とぼやいたホークスはAをじろじろと上から下まで眺める。
ヒーロー向きでない、すぐに折れてしまいそうな体。平均よりは高いだろう身長に対して体重はやや軽めなのか、細すぎるという印象を受けた。幼いながらも整った顔はモデルになれば、苦労することはないだろうと思わせる。瞳も綺麗だ。綺麗なのだが…。
「ねえ、君生きてる？」
「…？馬鹿なの？」
「いや〜、なんか足りないなーって思ってたんだけどさ。目、死んでない？」
無遠慮にそう言ってのけるホークス。他の人は大抵瞳をキラキラと光らせる。幼い子どもなら、尚更。大人であったって、楽しみを前にすれば目は輝くもの。
しかし、この少女の瞳は凪いだまま、鏡のように光を反射するだけで、熱を孕むような輝きはない。
「…もう寝るから」
「えー！早くない？もうちょっと話そうよ」
「出て」
ホークスを押し出したAはその場にしゃがみ込む。心臓はバクバクとうるさいくらいに、跳ねていた。
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怜(プロフ) - 夜にラーメンを食べた罪人のモブさん» ありがとうございます！今後の展開がどうなるかはまだ決めてませんが、更新頑張りますので、今後もどうぞお楽しみに！ (2021年8月29日 6時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
夜にラーメンを食べた罪人のモブ - めちょめちょこの話面白いです！！！こっからの展開がものすごく気になります！！更新ほんま頑張ってください！！応援しまくってます！！ (2021年8月26日 5時) (レス) id: 485c7d75ea (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます。頑張りますね！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 作者さま、おっけーです！面白いですからねー！ごゆっくり！！！ (2021年8月13日 20時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。@人間失格さん» ヒロアカ映画で再熱しまして…頻度は少ないですが、こちらも少しずつ更新していこうと思っておりますので、お楽しみに！ (2021年8月11日 21時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2019年1月9日 22時
