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街の中心、そこで佇むA。その手首には手錠のように長めの鎖で繋がれた枷が嵌められていた。鎖は両手を動かすのに不自由のない長さなのだが。その枷の重さ故に腕を上げることすら億劫になっている。だらり、と垂れている腕を見つめると、Aは顔を上げた。
「一人、二人、………三人。残りの二人は…」
前方には人影すらない。しかし、Aには分かるらしく、視線だけを動かして人数を確認する。重たい、と呟いたAは面倒くさそうに枷を一瞥すると、目の色をシアンに変えた。
その直後、ダークシャドウが飛んでくる。ゆらゆらと瞳を揺らめかせたあと、すぐに覚悟を宿してAに飛びかかった。しかし、タイミングが悪かった。シアンは色欲の色。人を魅了する力を持つ。人とはいったものの、個性生命体であっても同じこと。
ウィンク一つで動きを止めさせたA。ダークシャドウは既に術中だった。
「私の代わりにこのテープ巻いてきて。常闇は最後ね」
「…アイヨ」
人数分受け取ると、ダークシャドウは戻っていく。それを見送ると、Aは息を吐いた。ダークシャドウに全て任せたのは良いものの、心配事が一つある。
それは魅了効果のことだった。魅了はAとの距離によって強さが変わるのだ。魅了を付与したときの距離は近かったが、こうして距離が離れてしまうと効果が薄れてしまう可能性が出てくる。不安になってしまうのも仕方ないだろう。
遠くで叫び声が聞こえる。そこでダークシャドウが命令通り捕縛テープ片手に襲いかかっているはずだ。そう思ってAは浮き上がる。
「やっぱりこれ、重たい。置いてったらだめかな」
手首に目を落として、またため息をついた。そして、目を烏羽色へと変えると、目の前に出した扉をくぐる。
それはワープゲートだった。欲しいものを手にするとはよく言ったもので、それは空想のものですら出してしまう危険なものだ。
それはそうと、扉をくぐったその先。麗日と上鳴が捕縛テープを巻かれているのを確認して、Aは笑った。
「いーこ、ダークシャドウ」
「…」
「ダークシャドウに何を…！」
Aに付き従うようにダークシャドウは近寄る。常闇は焦ったようにそう叫んだ。
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怜(プロフ) - 夜にラーメンを食べた罪人のモブさん» ありがとうございます！今後の展開がどうなるかはまだ決めてませんが、更新頑張りますので、今後もどうぞお楽しみに！ (2021年8月29日 6時) (
レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
夜にラーメンを食べた罪人のモブ - めちょめちょこの話面白いです！！！こっからの展開がものすごく気になります！！更新ほんま頑張ってください！！応援しまくってます！！ (2021年8月26日 5時) (レス) id: 485c7d75ea (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 美咲さん» ありがとうございます。頑張りますね！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 作者さま、おっけーです！面白いですからねー！ごゆっくり！！！ (2021年8月13日 20時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - レン。@人間失格さん» ヒロアカ映画で再熱しまして…頻度は少ないですが、こちらも少しずつ更新していこうと思っておりますので、お楽しみに！ (2021年8月11日 21時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2019年1月9日 22時
