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「ねぇ、ヌナ。ヒョンは.....ルハニヒョンは.....」
『やめてっっ!!!!!!』
言葉の続きが怖くて、耳を塞ぐ。
聞きたくない。
聞きたくない。
聞きたくない。
聞きたくない!!!!
でも、皮肉にも私の大好きな海の静寂は、確かにセフナの言葉を届けた。
「.....死んだんだ」
『あ..........あぁ.....っ』
言葉にならない、うめき声が漏れた。
その瞬間、全てが思い出される。
クリスマスの約束。
最期に届いた「もうすぐ着く」のメッセージ。
待っても待っても、来ない彼。
知らない番号からの電話。
訳が分からないまま、セフナに車に乗せられて向かった病院。
白いベッドの上に目を閉じて横たわる最愛の彼。
私がここで待っても、もう無駄なんだった。
ルハンは.....
私の愛するあの人は、
..........死んだんだ。
『あ.....ぁ、あぁ..........ぅあーーっ!』
私の記憶は、そこで途絶えた。
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作者名:まほまほ | 作成日時:2016年5月8日 21時