日高（嫁）はAAA。

ドームリハ ページ47

あれから数日経って、ドームの練習が始まった。がんはどんどん進行してく。ドームツアー初日は明日なのにっ。

実「手に入れた夢は消えて」

　「僕らはまた次を目指っ…」

千「いつだって今を生きること」

実千「ただそれを積み重ねてくんだ」

くっ…。

また飛ばした…

　「君を包む…っ！」

千実「風のように」

っ…。なんで声が出なくなるの…

不調が続くまま、今日のリハを終えた。

楽屋に戻ると

光「A。明日からドームだよ？どうしたの、珍しい。」

　「…何でもないよっ」

せっかく光啓が気にかけてくれたのに、私は…

実「日高くん、大丈夫だよ。Aも疲れてるだけ。」

千「A…」

荷物を持ち、楽屋を出ようとすると直也くんに捕まった。

直「Aなんか最近おかしくない？大丈夫？」

　「お願いだから放っといてよ！！」

直也くんの顔を見ると悲しそうだった。

ごめんね…ごめんね…

楽屋からも、ドーム自体からも飛び出し、タクシーでシェアハウスに戻り、部屋に1人こもる。

ご飯もあまり喉を通らない。

　「まだ死にたくないよ… 」

タイムリミットが近づいてる気がして怖かった、悔しかった。部屋で静かに泣く。誰にも気づかれないようにそっと。、

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