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No.16 ページ16
「ん…」
じとじとした空気の中私は目を覚した。
光「A？」
「せんせ？」
光「おはよう、いま先生呼ぶから。」
「ありがと…」
光「やけに素直じゃん。どうしたの(笑)」
「先生、さつきちゃん…は？」
光「…残念だけど…」
「そ、んな。」
光「お前が生きていただけで奇跡なんだよ、1ヶ月ずっと目を覚まさなかったから。」
「…さつきちゃん苦しめちゃった…」
光「ん？」
「岡本せんせぇ、私が家に返さなかった。だからいっぱい寂しい思いした。さつきちゃの、お母さんもさつきちゃんも」
日高は頷きながら話を聞いてくれた。
「いっぱいいけないことして遊んでた、好きだったけど傷つけられて人信じれなくて、周りのみんなも心配させちゃった。さつきちゃは、私が…」
光「…桐島きっと寂しかったし、Aのこと羨ましく思ってたと思う。自分が大事な人の好きな人だから。だけど、桐島は自らあの道を選んだ。お前の太ももを打って、自分の頭を。気にするなとは言えない。だけど、桐島のこと忘れないでいてあげて。」
私の太ももを打ったのは…彼女のお父さんもそこを切りつけたから。彼女のお父さんと過ごす時間を私は奪ってしまった。
「人って怖いよね。自分の好きな人の裏側が見えない。」
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作者名：れもん | 作成日時：2017年11月2日 23時
