或る図書館での話 (ページ2)

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壱話ページ2

「あれ…？ここに置いたはずの本がない…」

「あっ、司書さん。おはようございます。どうかなさったんですか？」

「いえ、少し捜し物を…ここにあった本なんですけど」

「あぁ、あの本司書さんのだったんですね！それならそこの棚にしまいましたよ」

「本当ですか？ありがとうございます！」

言われた通り棚を見てみるとちゃんとあった
せっかく読みかけた本なのに途中で読むのをやめてしまうのはもったいない

「堀先生ありがとうございます、ありました」

「そうですか！それは良かったです」

そう言ってにこっと笑う先生を見ると儚い女の子のように思うことがある。女の私よりも可愛い
でも、先生本人に言ったら「僕もちゃんと男ですよ！」づて怒られてしまいそうなので言わないでおこう

「あ！お司書はんおった！そろそろ時間やのに来ぃへんもんで心配したわ」

「もうそんな時間でしたか。織田先生すみません、すぐ向かいますね。という訳で堀先生、少し行ってきますね」