【原神】私は私じゃない《第一章》 (ページ16)

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..幻影ページ16

メイド「お嬢様？」

扉の向こうからメイドの声が聞こえる

主「…」

昨日、お父が亡くなった
今日は父の葬儀がある

シンティアは部屋の隅にうずくまって動かない

メイド「失礼します…」
メイドがシンティアの部屋に入ってくる

父を亡くしたばかりで、兄ディルックも昨日からワイナリーに顔を出していない

その上、兄ガイアは昨日を境に冷たくなったように感じる

シンティアは気が滅入っていた

メイド「お嬢様…」

まだ14になったばかりのシンティアになんて声をかければいいか分からない

メイドもまた仕えていた屋敷の旦那が亡くなったことに悲しんでいる

メイド「そろそろお時間です」

主「…んわかった…」
重い体を起こす

主「まだ着替えられてないの… あと少ししたら馬車に乗りに行くわ先に行っていて大丈夫」

メイド「分かりました…失礼します」

出て行った後、重い足取りで服を取りに行く

主「真っ黒…服も外も全部…」

今日も昨日に引き続き天気が悪い

着替え終わり姿見鏡の前で最終確認をする

──

メイド「お嬢様こちらです」

外に出ると馬車に案内され、乗車した

主(結局、お兄様達はいないのね先に行ったのかしら…)

ガイアに昨日ディルックは帰って来ないと言われまだ一度もディルックには会っていなかったが、流石に葬儀には参加しているだろう

昨日兄達の目に何が見えていたのか分からない
その上、父の死因を誰一人として話さない

疑念が深まるばかりだ

14の子供にこれからのことなど予想はできない

主(ワイナリーはどうなっちゃうの)

葬儀へ向かうと

そこには喪服を着た人が沢山いた

その中に兄がいるかを探す

同じような赤色の髪…

吸い込まれそうな碧い色の髪…

主(いない…
　どこにも見当たらない)