ねむれるてんしさま【ブルーロック】 (ページ6)

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04.悪魔は巣喰うページ6

今でも思い出す度に苦しくなって、目の前が滲む。私はそのせいで、私じゃなくなった。忘れようとしても忘れられない。

悪魔はずっと私の心に巣喰い、蝕んでいる。

忘れられなくても、思い出さなければいい。これから先もずっと、心の奥底に封印していよう。

少しボンヤリしていたら、いつの間にかゲームが終わっていたみたいだ。絵心さんがマイクに向かって何かを話している。なんだか眠たいな、少し寝ていよう。

⭐︎

絵心さんに与えられた部屋は無機質なものの、ベッドや机、椅子など最低限の家具は揃えられた部屋だった。私はシンプルな部屋の方が落ち着くのでこれでいい。あ、でも好きなキャラクターのぬいぐるみは欲しいな、安眠のために。

何か抱えてないと夜は寝れないんだよね…今日寝れないと困るし、絵心さんに頼みに行こ。

そう思って部屋を出て、廊下を歩く。絵心さんどこいるんだろ、部屋にいるかな。

ていうか私結局アンリさんに会えてないし…これでずっと会えなかったら絵心さんのこと詐欺罪で訴えてやる。

私の部屋は選手達の暮らす伍号棟…あれ、全部伍号棟だったかも…の中にある。女性専用シャワールームなんてものは無いので選手達が寝静まった後に大浴場のシャワーを利用しないといけない。

何で無駄な所は豪華なくせにこう言うところには気が回らないんだ。あ、アンリさんが謙虚だから別の所にお金回してるのかも。だったら怒れないなぁ。

なんて、色んなこと考えながら歩いてたら、曲がり角で人とぶつかってしまった。何だこれ、少女漫画か何か？

反動で後ろに倒れ、尻もちをついてしまう。地味に痛い。

あ、謝らないと。人に悪いことしちゃったら謝るんだよ、ってアンリさんが小さい時に教えてくれた。

『あ、ごめんなさい』

「いえ、こちらこそ」

あ、ものすごく礼儀正しい人だ。そう思って顔を上げるとそこには私とは対照的な赤い髪。綺麗な長い睫毛。まるで女の子みたいな顔。え、私より女の子してる。

すごく綺麗な目が、私を見つめる。なんかついてるかな…？そう思いながら立ち上がり、埃を払う。しかし、いつまでも視線を感じたままだ。

え…なんでそんな見てくるの？流石に見過ぎでは？こわいこわいこわい無理…！

いつまで経っても逸らされない瞳に緊張し、体温が上がっていくのが分かる。ドキドキして、冷や汗が出る。

＿＿＿＿＿これは、やばい。

そう思った直後、私の意識は無くなった。