4日目 ページ10
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「今日は遅かったじゃねーか、A」
「あはは、寝坊しちゃった」
しっかりしろよな、と頭をぽんと軽く叩いてやれば彼女は「はーい」と気だるい返事をする。
彼女はぐぐ、と背伸びをした後いつも通り柵にもたれかかってりんごジュースを取り出す。そして、可愛い口でちょぼちょぼ飲み始めるのだ。
童顔で背が小さい、ということもあり。
いつも見る彼女はやっぱり年上とは思えなかった。
「…ねえ今、『コイツが年上なんてありえない』なんて思ってたでしょう」
「…は!?なんで分か」
「くく、顔に出すぎ」
そう言うと彼女は目を細め、ニヤリと悪戯に笑いながら俺の頬をついた。
思ったより顔が近く、咄嗟に後ずさりをすると「なんで逃げるのさ」とまたずかずかと近づいてくる。
「……顔が近えよ」
「あれ?照れてる?」
「……あーめんどくせー」
こうやって弄んでくるところがどうにも歳上らしい。しかし、目の前の幼い顔とのギャップに頭がおかしくなりそうだった。
「ほら、こんなに顔真っ赤にしちゃって。照れ屋さんなんだから」
「…してねえ」
ずいっ、と顔をよせてじーっと見つめてくる彼女。
……ほら、また顔が近い。距離感おかしいだろ、とつっこもうとしたところで、彼女はまた猫のように悪戯に微笑んだ。
「もしかして私のこと意識してくれてるの?」
「……はぁ?」
「あれ、違った?」
こてん、と首をかしげ透き通るほど綺麗な髪を揺らす。
吸い込まれそうな瞳を見つめ返すと、彼女から目を離すことができなかった。
ドクドクと脈打つ心臓が、やけにうるさい。
…あれ?俺、今コイツのこと意識した?
自問自答するも、コイツのことを好きになってしまったという事実に我ながら驚きを隠せず困惑し固まる。
そうだ。そもそも突然知らねえヤツ__それも余命1週間のコイツに燃えるような恋をしたい、なんて意味のわからないことを言われて。暇だから付き合ってやるか、なんて呑気な気持ちと最期くらい叶えてやりたい、という気持ちでコイツの最期の願いを聞いてやっているわけで。
……好きになっても、一生報われねえ恋じゃん。
「……え、何黙り込んじゃって」
彼女は俺の気持ちも何も知らずに、またバグった距離感で俺の顔をのぞき込む。
ほら、また心臓がうるさい。
……でも、その度に胸が痛くて。
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KILLER(プロフ) - 月見さん» ありがとうございます︎;;そう言っていただけてとっても嬉しいです!新作も是非よろしくお願いします💗🙌🏻 (3月12日 22時) (レス) id: 1035f62a68 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 凄く涙が出ました…!!!語彙力なくて表現し切れませんが兎に角めちゃくちゃ面白かったです!!新作などの予定があれば是非そちらも愛読したいです!!!完結おめでとうございます! (3月11日 7時) (レス) @page28 id: a8d5a980d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KILLER | 作成日時:2023年3月15日 16時