3日目 ページ7
___『「A」っていうんだ。一週間だけ、覚えて帰ってよね」』
昨日、屋上でそう呟いた彼女の消えそうな声が頭から離れない。
(………A、か)
行ったら呼んでやるか、と考える。
なんだかアイツの名前を呼ぶなんてこっ恥ずかしいなぁなんて思いながら、屋上のドアノブを回した。
「……もう、遅いよ陣平くん。待ちくたびれちゃったよ」
「…へーへー」
「何してたの?10分遅刻だよ」
「…時間に厳しいよな、アンタ」
「……やり直し、名前で呼んでよ」
むすっと頬を膨らます彼女。「まさか覚えてないとか言わないでよね」と不機嫌そうに言う。
__だから、急に名前呼ぶとか恥ずかしいっつの。
なんて声には出せないけど。
「………A、遅れて悪かった」
「ふふ、いいよ。許してあげる」
急に機嫌が良くなる彼女。…随分と気分屋だな、なんて思っていると。
ごほ、と胸を抑えて苦しそうに咳き込む彼女。
手を口で抑えて、何度も何度も咳き込む。
「オイ、大丈夫か」
急いで彼女のそばに寄り添い、小さな背中をさすってやる。すると落ち着いたのか、「うん、気にしないで」と
いつもみたいにふにゃりと笑った。
「………心配させんな………っておま、その手__っ」
「ああ、大丈夫。
彼女の手は、真っ赤に染まっていた。
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KILLER(プロフ) - 月見さん» ありがとうございます︎;;そう言っていただけてとっても嬉しいです!新作も是非よろしくお願いします💗🙌🏻 (3月12日 22時) (レス) id: 1035f62a68 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 凄く涙が出ました…!!!語彙力なくて表現し切れませんが兎に角めちゃくちゃ面白かったです!!新作などの予定があれば是非そちらも愛読したいです!!!完結おめでとうございます! (3月11日 7時) (レス) @page28 id: a8d5a980d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KILLER | 作成日時:2023年3月15日 16時