2日目 ページ3
翌日。昨日の帰り、彼女から「明日もこの時間に屋上ね」と約束をしたので昨日と同じ時間帯に屋上へ足を運ぶ。
屋上のドアノブ回す。ガチャリ、と音を立てて扉を開いた。
「昨日ぶりだね。会いたかったよ、おにーさん」
「…そりゃどうも」
「楽しみで昨日眠れなかったんだからね」
りんごジュースのパックを片手に、ふわあと可愛らしいあくびをする彼女。そんなに俺と会うのを楽しみにしてくれていたと思うと少し嬉しいような気もするが。
「今日は天気がいいねえ」
「……ああ」
柵にもたれかかり、りんごジュースをストローでちゅーちゅー吸いながら景色を眺める彼女。そんな彼女の横顔はやっぱり幼く見える。りんごジュースだから余計か。
「そういえば、お兄さんはどうしてここで入院してるの？」
ストローをくわえたままこてん、と首を傾げる。上目遣いで俺を見つめるその動作全てがとても歳上とは思えないくらいに可愛らしい。
「あー………まあ、健康じゃないから」
「そりゃ健康だったら入院してないでしょ」
何だコイツ、顔はガキのくせに考えることや言動は全くガキじゃない。やっぱりコイツは歳上だなと再認識する。
鋭い指摘をされ、どうせちゃんとした理由を教えないとコイツは教えるまで聞いてくるだろうと見込んだ。
はぁ、と一つため息をつく。諦めて話すことにした。
「爆弾解体中に爆発に巻き込まれた。そんだけ」
すると彼女は目を丸くした。ストローをくわえていた口を外し、きょとんとする。
そして何か考える仕草をしたあと、こちらにゆっくり視線を向けた。
「へぇ………ということは爆弾を解体するお仕事………
つまりおにーさんは機動隊かな？」
「………詳しいんだな」
ポケットから顔写真付きの警察手帳を取り出し、証拠として彼女に「ほら」と見せてやるとぱあっと目を輝かせて「凄い！本物なんて初めて見た！カッコイイ！」と警察手帳をまじまじと見つめている。
…それは俺がカッコイイのか、それとも警察手帳がカッコイイのかどっちの意味なんだろうか、なんて思いながら。
「私も警察官目指してたからすっごく憧れるなあ」
「あー、どうりで警警官の仕事に詳しいわけで」
「……まあ、もう諦めちゃったけど……」
そうポツリとつぶやいた彼女は、とても悲しそうだった。
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KILLER(プロフ) - 月見さん» ありがとうございます︎；；そう言っていただけてとっても嬉しいです！新作も是非よろしくお願いします💗🙌🏻 (3月12日 22時) (
レス) id: 1035f62a68 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 凄く涙が出ました…！！！語彙力なくて表現し切れませんが兎に角めちゃくちゃ面白かったです！！新作などの予定があれば是非そちらも愛読したいです！！！完結おめでとうございます！ (3月11日 7時) (レス) @page28 id: a8d5a980d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KILLER | 作成日時：2023年3月15日 16時
