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とは言っても、俺とアイツの待ち合わせ場所はいつだってあの漠然とした青い空が見える屋上だったのだ。

つまり、俺はアイツの病室がどこなのか___どの階にあるのかさえも知らない。




そう思えば、俺達は不思議な関係だったんだなぁ。




何も知らねえのに好きになっちまうなんて、俺はどうかしてんじゃねーかと思う。それもあんなクソガキみてえな見た目の女。いや、中身もだけど。

りんごジュースねだってきやがるし。

あーなんか腹立つなあ。……余命宣告されてるふうには見えないくらい元気だったくせに。



……まあ、無理してたんだよな。
明るく振る舞って、元気そうなフリして。





そう思うと、アイツの笑顔も行動も言葉も、一つ一つに意味があったのではないかと思う。

あの笑顔の裏にはどんな意味が隠されているのか。

アイツ自身の気持ちを改めて考えると、とても胸が痛くなった。





……って、今はそんなこと考えてる場合じゃない。
早くAを探さなければ。






アイツが居そうな場所を手当り次第探してみるか?とも考えたが、なんせ効率が悪すぎる。
病室一つ一つ見て回るなんて論外だ。そんなことすれば夜が明けてしまうだろう。



さて、どうしたものか。










(……そういえば)









____だから、私もうおしまいだね?




アイツがそう口にした途端、俺は急に意識を失った。そして、気がつけば丸一日病室で眠っていた。






俺はあの時、なぜ急に意識を失ったのだろうか?
なぜ病室まで帰ってこれたのだろうか?





考えれば考えるほど頭の中は?マークだらけで。
疑問点は沢山ある。しかし、考えてもキリがない。









(………つまりは事情聴取ってわけか)









もしかしなくても。俺を運んでくれた人、そしてアイツを運んだ人……つまりは看護師や医師が必ずこの病院内に居る。そして、どういう状況なのか知っているはず。

そうじゃないか。最初からこうしていればよかったものを、テンパって滅茶苦茶な行動を取ってしまった。








事の原因をつきとめるために、本領発揮しろってわけだ。

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KILLER(プロフ) - 月見さん» ありがとうございます︎;;そう言っていただけてとっても嬉しいです!新作も是非よろしくお願いします💗🙌🏻 (3月12日 22時) (レス) id: 1035f62a68 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 凄く涙が出ました…!!!語彙力なくて表現し切れませんが兎に角めちゃくちゃ面白かったです!!新作などの予定があれば是非そちらも愛読したいです!!!完結おめでとうございます! (3月11日 7時) (レス) @page28 id: a8d5a980d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:KILLER | 作成日時:2023年3月15日 16時

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