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「陣平くん、死んで花実が咲くものか………だよ」
















彼女は消えそうな声で、確かにそうぽつりと呟いた。
俺がどういう意味か聞く間もなく、彼女はまた独り言のように___しかし、俺の目を確かに真っ直ぐ見ながら呟き始めた。









「知ってる?このことわざ」






「……知らねえ」











分かっていたように頷き、ゆっくり瞼を閉じる。
そして、俺の頬から手を離してゆっくりと口を開いた。















「枯れた草や木には花も咲かないし、実もならないでしょう」






「……」



















「それと同じで、人間も死んでしまったらなにも出来ないからおしまいだって意味なんだよ」



















____だから、私もうおしまいだね?

















そう言うと、彼女はゆっくりと俯く。
苦しそうに口を両手で押え、ごほごほと酷い咳を数回繰り返した。


急いで彼女の背中をさすり、もう全身に力も入らずぐったりと倒れ込む彼女の名前を何度も呼ぶ。

何度も、何度も。











「……1週間」



「……おま、しゃべ」









「1週間、楽しかった」






「……」






「あ…でも1週間もなかったか……」





「………」






「でも、燃えるような恋ができたよ」






「……ああ…」













彼女はまた苦しそうに咳き込む。もう無理して喋らなくていい、と言ったものの彼女は喋るのを辞めず、俺の手を握りながらまた口を開いた。














「死んでしまえば、花実は咲かない」













またそのことわざの話かよと言いそうになったところで、急な酷い睡魔に襲われる。




なぜだ。瞼が鉛のように重くて、上がらない。



















「………生きてさえいれば、なんでもできる」










まだ、まだ。Aと一緒にいたいのに____



















「だからどうか、生きて」



















彼女のその言葉を最後に、俺は意識をその場で失ったのだった。

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KILLER(プロフ) - 月見さん» ありがとうございます︎;;そう言っていただけてとっても嬉しいです!新作も是非よろしくお願いします💗🙌🏻 (3月12日 22時) (レス) id: 1035f62a68 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 凄く涙が出ました…!!!語彙力なくて表現し切れませんが兎に角めちゃくちゃ面白かったです!!新作などの予定があれば是非そちらも愛読したいです!!!完結おめでとうございます! (3月11日 7時) (レス) @page28 id: a8d5a980d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:KILLER | 作成日時:2023年3月15日 16時

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